北九州市門司区の市営団地で5月、独り暮らしの身体障害者の男性(当時56)が、ミイラ化した遺体で見つかる事件があった。この事件で、北九州市が、男性が脱水症状で衰弱していたのを、昨年9月に把握しながら給水停止を続け、病院に入院させるなどの措置を取っていなかったことが分かった。男性が生活保護を申請しようとしたのに対しても、相談段階で断っていた。
家賃滞納が続いたために、市住宅供給公社の職員が訪問したときにも、部屋を這って出てきた男性は、公園で水を汲んでいる姿も目撃されているという。
男性は区役所の保護課も訪問し「身体も弱っており、保護をお願いしたい」と頼んだがそれも断られている。
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何年も前、身寄りのない友人が不治の病に侵され入院した。知人に勧められて生活保護の申請に区役所を訪れたことがある。
福祉課の女性に、その階の隅に設けられた小さな部屋に案内され、面接の手続きをとるための窓口に行く。そこで受けた係りの視線にまず驚いた。僕の顔を一瞥したその眼は、明らかに軽蔑の眼差しであった。対応も横柄そのもの、不親切極まりない。
友のためと我慢して手続きを済ませ、面接を受ける。そこでまた面接の職員の眼は同じような蔑みの眼。ここに至るまでの説明にも横柄な態度は前の職員と同じ、口調も軽蔑に満ち溢れている。
余りの腹立たしさに、話の途中で「生活保護なんかいらない!」そう言って席を立った。友の面倒は僕が見る、2度とここには来るものかと思った。
その友はこの事は知らないが、何度も「ありがとう」を言ってこの世を去った。
かなり前のこと、マスコミでも取り上げられたことがあるが、都内のある区役所で、生活保護の申請用紙のサンプルの名前の記入欄に書かれた名前が「大場嘉門(おおばかもん)・大場佳代(おおばかよ)」とあったという報道を思い出した。
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男性は5月23日、布団の中でミイラ化している状態で見つかり、司法解剖の結果1月下旬に死亡したと見られるという。
弱者には冷たく、無駄遣いの多い我が国の行政。「ゆりかごから墓場まで」は望むべくもない。
2006.07.18
-朝日新聞7月17日の記事から-
家賃滞納が続いたために、市住宅供給公社の職員が訪問したときにも、部屋を這って出てきた男性は、公園で水を汲んでいる姿も目撃されているという。
男性は区役所の保護課も訪問し「身体も弱っており、保護をお願いしたい」と頼んだがそれも断られている。
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何年も前、身寄りのない友人が不治の病に侵され入院した。知人に勧められて生活保護の申請に区役所を訪れたことがある。
福祉課の女性に、その階の隅に設けられた小さな部屋に案内され、面接の手続きをとるための窓口に行く。そこで受けた係りの視線にまず驚いた。僕の顔を一瞥したその眼は、明らかに軽蔑の眼差しであった。対応も横柄そのもの、不親切極まりない。
友のためと我慢して手続きを済ませ、面接を受ける。そこでまた面接の職員の眼は同じような蔑みの眼。ここに至るまでの説明にも横柄な態度は前の職員と同じ、口調も軽蔑に満ち溢れている。
余りの腹立たしさに、話の途中で「生活保護なんかいらない!」そう言って席を立った。友の面倒は僕が見る、2度とここには来るものかと思った。
その友はこの事は知らないが、何度も「ありがとう」を言ってこの世を去った。
かなり前のこと、マスコミでも取り上げられたことがあるが、都内のある区役所で、生活保護の申請用紙のサンプルの名前の記入欄に書かれた名前が「大場嘉門(おおばかもん)・大場佳代(おおばかよ)」とあったという報道を思い出した。
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男性は5月23日、布団の中でミイラ化している状態で見つかり、司法解剖の結果1月下旬に死亡したと見られるという。
弱者には冷たく、無駄遣いの多い我が国の行政。「ゆりかごから墓場まで」は望むべくもない。
2006.07.18