勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

頼り

2006-07-16 22:03:45 | Weblog
 我が子を橋の上から投げ落とす親がいる。子供にとって親はもっとも信頼し、頼りになる存在であるはずなのに。
 
 少し前の新聞記事から

 少年は埼玉県上尾市の児童相談所の玄関先にうずくまっていた。以前少年がこの相談所に一時保護されていたのを職員は覚えていた。
「どうしたの?」
「お父さんにたたかれた」
気温約10度と肌寒かったこの日、少年はTシャツにジャンパー、素足にサンダルばきだった。
眼の周りに青いあざがあった。右手の人差し指のつけ根を骨折していた。背中と太ももには殴打痕、足裏の刺し傷は数十箇所に及んでいた。

 昼ごろ、小学4年の少年は同県川口市の自宅で父親(45)から鉄の棒のようなもので殴られ、足の裏を画びょうで刺されたという。
 午後2時ごろ、少年は家を出た。約600メートル離れたJR川口駅で切符を買い、京浜東北線の電車に乗った。八つ目の大宮駅で高崎線に乗り換えた。二つ目の上尾駅で降りてバスに乗る。四つ目のバス停で降り、相談所に付いたのは午後4時過ぎだったとみられる。ポケットには100円ほどしかなかった。

 少年が乗ったバスの運転手が少年のことを覚えていた。
「顔面に擦り傷とあざがあり、派手に喧嘩したのかなと思った」
降りるときに「いくらですか」と小さな声で聞いてきた。おびえたような感じだったという。

 「このまま家にいると大変になると思った」少年はそう話したという。
翌日逮捕された父親は「反抗的な態度をとったから」と供述した。昨年までは勤務医だったと話しているという。母親は1ヶ月ほど前に家を出ていき、少年は父親と2人で暮らしていた。
近所の夫婦は、少年について「元気にあいさつする人なつこい子だ」と言った。
話をする時に手をギュッと握ってくるのが印象的だった。「人が恋しかったのでしょうか」
 
 2時間の道のりを9歳の少年はどんな思いで過ごしたのだろう・・・・・・。
 

 この記事を読みながら、途中で文字が見えなくなった。
母親に突き落とされ、父親から虐待され、子供たちは何を頼りに生きればいいのか。
2006.07.16