火事と喧嘩は江戸の華といわれるが、江戸の町吉原には、それよりも色あでやかな華があった。
独特な廓詞(くるわことば)の花魁は、遊女の中でも格が高く、一般庶民には手の届かない存在であったらしい。
落語や歌舞伎の演目にある、男にとって憧れの的であった遊女・高尾太夫と、染物屋の職人・久蔵との恋を描いた「紺屋高尾(こうやたかお)」の話は泣ける。(どこかのCMのような口調になってしまった)
吉原に近い、一葉桜・小松橋通りで行われた「浅草観音うら一葉桜まつり」では、花魁道中が華やかに繰り広げられた。
きれいどころを従えた花魁は、一葉桜の咲く通りを往復する。
絢爛豪華な衣装と優雅な身のこなし
内八文字、外八文字といわれる三枚歯下駄による独特の歩き方
満開の一葉桜も、江戸の華に酔いしれてハラハラと散り始めた。あたかも、この江戸絵巻を祝福しているかのように・・・。