諏訪中央病院名誉院長であり、「がんばらない」の著者でもある鎌田實さんの話である。
癌を患いながらも、ご主人と蕎麦屋を営む患者さんがいた。余命いくばくもないある日、ホスピスへの入院を勧めたが、彼女は頑としてそれを拒む。わけを聞くと、後日開かれるダンスパーティーに出演の予定があり、それが済まないうちは入院をしないという。
しかしその願いも虚しく、入院を余儀なくされる。計り知れないほどの彼女の無念さを知り、病院で彼女のためにパーティーを開く。ドレスを身にまとい、燕尾服のご主人に、倒れそうな身体を支えられながら踊った。願いが叶った彼女は、数日後、安らかな顔で旅立った。
ダンスのお相手をすることが生業の僕にとって、毎日踊るダンスを、これほどの重さを感じて踊ったことがない。鎌田医師の話は、僕のダンスに対する気持ちを変えさせてくれた。
二日間に亘って開催された、お客様出演のデモンストレーション。30名ほどの出演者の中には高齢の方もいる。それぞれの胸に秘めた思いは異なっても、いい思い出になることを願う。
出演者のほとんどは女性であるが、数少ない男性の出演者と踊る麗(うらら)教師。「きれいに撮ってね」と頼まれた。写真とは真実を写す、と書く。
そして、フロアーに咲いた美しい大輪の花は、毎日コメントをくださる正子さんの妹さんの華麗な舞姿。(ご本人の許可をいただいていませんが、麗教師から大丈夫とのお墨付きをいただきましたので、お許しを・・・)
癌を患いながらも、ご主人と蕎麦屋を営む患者さんがいた。余命いくばくもないある日、ホスピスへの入院を勧めたが、彼女は頑としてそれを拒む。わけを聞くと、後日開かれるダンスパーティーに出演の予定があり、それが済まないうちは入院をしないという。
しかしその願いも虚しく、入院を余儀なくされる。計り知れないほどの彼女の無念さを知り、病院で彼女のためにパーティーを開く。ドレスを身にまとい、燕尾服のご主人に、倒れそうな身体を支えられながら踊った。願いが叶った彼女は、数日後、安らかな顔で旅立った。
ダンスのお相手をすることが生業の僕にとって、毎日踊るダンスを、これほどの重さを感じて踊ったことがない。鎌田医師の話は、僕のダンスに対する気持ちを変えさせてくれた。