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自転車で買い物に出かける途中、携帯電話が鳴った。発信者は携帯に登録されていない番号だ。不信に思いながら電話に出る。
「わたし何々の○○ですけどぉ」と、若い女性の声。
衰えの激しい記憶回路がぐるぐると回った。会社名と思われるものにも、○○という名前にも、声にも心当たりはない。
不快感をあらわに「なんの用事?」
「二十歳以上の独身のお兄さんに、アンケートをいただいてるんですぅ」甲高くアホっぽいしゃべりかた。確かに該当はするけど・・・。
更に続ける。「お兄さん、変な勧誘や、迷惑をかけることじゃないのですぐ終ります」
やたらと「お兄さん」という言葉を使う。この時点で不愉快さは最高潮。
ちょっとからかってやろうと思ったが、それすらアホくさい。ましてや、アホ丸出しのしゃべり方には嫌悪さえ覚える。
「忙しいのであなたの相手をする時間はありません」。そういって電話を切った。
何故我が携帯に電話がかかったかは知らないが、油断も隙もない世の中。娘も息子もいない我が身には、オレオレ詐欺は通用しない。そこで独身のお兄さんときたか。そんなことで騙されないぞ。