夏が終ったと思っていたら、早くも、もう霜月。その11月を音で表わすと「さ行音」になるという。
しもつきの朝の霜だたみ
乾反葉(ひそりば)敷く山道を行けばさりさり
波うちみだれる白髪野を行けばさくさく
無数の氷の針は音立ててくづれる
澄んだ空気に清んだサ行音
あをい林檎を噛む歯音にも似て
-那珂太郎さん 「音の歳時記」より-
しもつきの朝の霜だたみ
乾反葉(ひそりば)敷く山道を行けばさりさり
波うちみだれる白髪野を行けばさくさく
無数の氷の針は音立ててくづれる
澄んだ空気に清んだサ行音
あをい林檎を噛む歯音にも似て
-那珂太郎さん 「音の歳時記」より-
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/2c/76477105b115319bc8fa6c432d6dfcd1.jpg)
深まる秋の夕暮れの隅田川、色づきはじめた桜葉の向こうには夕日が赤く燃え、さらさらと流れる水に、さわさわと風の音、さやさやと水面にゆれる夕日の影を横切る一隻の船。さ行の秋が、通り過ぎようとしている。11月7日は立冬だとか。「しんしん」の冬が来るのも間近のようだ。