勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

陽は昇り また沈む

2009-11-11 00:53:24 | Weblog
 森繁久彌さん死去のニュースに、真っ先に眼に浮かんだのが、「屋根の上のヴァイオリン弾き」のテビエの姿だった。
 舞台の上では元気いっぱいに演じていた森繁さんも、カーテンコールでは共演の賀原夏子さんに手を借りながらの挨拶だった。1986年の帝劇の舞台は、今から23年も前のことである。映画、舞台、ドラマ、歌など、あらゆる分野での活躍は、今も眼に焼きついている。

 死をテーマに書かれた絵本「葉っぱのフレディー・いのちの旅」のCDの朗読で、森繁さんの声は、時には深い悲しみに満ち、時には勇気をもたらし、時にはやさしく風のように耳元で囁やき、言霊になって胸に迫る。

 『間』を大切にする人だったと聞く。テレビドラマ「七人の孫」で共演した、いしだあゆみさんが以前話していた。
ある日のドラマの収録での事、台詞に詰まったと思ったスタッフが、森繁さんに台詞を耳打ちした。すると彼は烈火のごとく怒ったという。「これは“間”なんだ、君たちはそんな事もわからんのかっ!」と。

森繁さんの数多くの歌の中でも特に好きな歌がある。「銀座の雀」は、哀感の調べと、森繁節が心に沁みる。 
  

「屋根の上のヴァイオリン弾き」で、森繁さんは歌った。


陽は昇り また沈み
時うつる
よろこび 悲しみを
のせて流れゆく


合掌