どんなに夏が暑くても、秋は確実にやってくる。暑い暑いと言っているうちに夏も終わり、今はもう秋。秋は爽やかでしのぎやすいが、寂しくて好きではない。
秋という季節は好きではないが、秋の果物は大好きである。秋の味覚の石榴が鬼のような形相で大きな口を開けてこっちを見ている。石榴は人肉に似ているというが、それは人を食うからなのか。。。 僕も時々人を食っているといわれるが、人肉はまだ食ったことがない。でも石榴は大好きだ。
子の母でありながら他人(ひと)の子を捕まえて食べてしまう鬼子母神を、釈迦は彼女が愛した末子を隠して、子を失う母親の苦しみを悟らせ改心させたという。鬼神が手に石榴を持っている謂われは、釈迦が鬼神に柘榴の実を与え、人肉を食べないように約束させたからだそうだ。それ以来、石榴は人肉の味に似ていると云われるようになったとか。恐れ入谷の鬼子母神の境内にも石榴の木が植わっている。
石榴のジュースが身体にいいと聞いた。その甘酸っぱい味は去りゆく夏を惜しむ味。秋の夜長の人恋しい味。女性の美肌効果や、老化防止効果があるといわれる石榴だが、国民生活センターの調査によると、その元になるエストロゲンは検出されなかったという。石榴伝説は人を食ったような話だが、美味しければまぁいいか。こんな美味しい果物が、身体に悪いはずはないのだから。。。