勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

からたちの花

2008-04-10 23:53:37 | Weblog


からたちの花が咲いたよ
白い白い花が咲いたよ


からたちのとげはいたいよ
いい針のとげだよ


からたちのそばで泣いたよ
みんなみんなやさしかつたよ

 九州の柳川に生まれた北原白秋は、数多くの童謡や歌曲の作詩でも知られ、その作品は日本のこころでもある。白秋の詩はやさしさにあふれ、口ずさむと懐かしさが満ちてくる。

 “からたちの花”をはじめ、白秋の詩の多くを作曲した山田耕作は、幼いころから工場で働く。10歳にも満たない耕作は、未明から夜半近くまで働き、工場の垣根のからたちの実を食べて、飢えをしのいだこともあったという。

 幼い彼は、幾度となくからたちの垣根に走っては涙を流す。そんな時に声を掛けてくれた人のやさしさを白秋の詩に見い出し、幼いころの自分を重ね曲をつけたと述懐する。

 山田耕筰は曲作りにあたって、日本語の抑揚を大切にしたという。彼の作品はどれもが、日本語の美しさを自然なメロディーに乗せて語りかける。からたちの花も、詩を詠むような旋律がいい。


からたちの花が咲いたよ
白い白い花が咲いたよ


童謡は僕にとって、幼い昔に帰る大切なアイテムである。

木通の花

2008-04-09 23:25:50 | Weblog
 小さくてもいい、目立たなくてもいい、華やかでなくてもいい、ほんのり香ればいい。うつむきながら咲く木通(あけび)の花。ひとつひとつは控えめだが、集まればそこは紫の花園。

中央の小さな花の固まりが雄花

 一本の枝に咲く小さな雄花と大きな雌花。どちらが美しいかは好みの違い。雄花と雌花が並んでいても自家受粉はせず、別株がなければ実を結ばないという。

雄花より大きな雌花

 顔を近づけると、ほのかに香る神秘な色の不思議な花、あけび。実が割れることから“開け実”、それが“アケビ”となったという。この植物の漢名が“木通”であることからこの字を当てたらしい。春に咲く小さくて控えめなあけびの花も、秋になれば大きな実を結ぶ。小さな花でも咲かせてみよう、いつか大きな実を結ぶかもしれないから。

めぐりん

2008-04-08 23:05:34 | Weblog
 激しい雨と風に傘もさせない。仕方なく自転車での通勤をやめ、バスに乗った。台東区には、100円で乗れる3系統のめぐりんというバスが走っている。路地裏を隈なく走るめぐりんのひとつが我が家のそばを走り時々利用する。

 風で飛ばされそうな傘を傾けながらバス停に向かった。ちょうどそのときバスが来た。バス停を通り過ぎようとしたバスに向かって走った。僕を見つけたバスの運転手さん、バス停を通り過ぎてから、僕のそばに寄って来て停まってくれた。

 「ありがとうございます」と言って、慌てていたので用意していなかった小銭を財布から出す。その間、バスは発車せず停まったまま待っていてくれた。年配の利用客が多いからだろうか。いい気持ちで仕事に向かえた。
 仕事が終っての帰りも当然めぐりんに乗る。雨と風は相変わらず激しく吹き荒れている。途中で降りた子供を抱いたお母さん、「すみません」と言いながら、バスを降りるのに手間取っている。降り際に運転手さんが声をかけた。「お気をつけて・・・」。勿論、朝に乗った時の運転手さんとは違う人だった。偶にはバスに乗るのもいいものだ。特にめぐりんは・・・♪

天声人語

2008-04-07 22:30:21 | Weblog
 朝日新聞一面のコラム「天声人語」は、僕にとって楽しみのひとつである。天声人語とは、中国の古典「天に声あり、人をして語らしむ」に由来し、「民の声、庶民の声こそ天の声」という意味だそうだ。

 長年読みなれたこの欄が3月31日から変わった。1行11文字、計58行だったものが、1行18文字、36行になり6文字増えた。活字も大きくなり読みやすくなった。筆者によると、この6文字が大きな意味があるという。
 限られた文字数での表現方法のひとつに、段落をつけず、代わりに「▼」を使う方法を知ったのもこのコラムからである。「▼」印を使うことで段落がわかり、文字がぎっしり詰まった文章も読み易くもなる。また、詩のような文章には句読点ではなく「/」を使う方法も知った。更に、文章の書き方の手本にもなる。起承転結による話の展開は、この欄ならではの面白さがあり、おおいに参考にさせていただいている。
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 星野富弘さんを知ったのもここからである。「ぺんぺん草のうた」の紹介に胸を打たれ、富弘さんのファンになった。何よりも大きな文字になって読みやすくなった天声人語から、これからも多くのことを学ばせて貰おう

花のじゅうたん

2008-04-06 23:12:10 | Weblog
 開花がニュースを賑わせ、あちらで三分、こちらで八分といっては喜び、満開になったといっては騒ぎ、風に心を惑わせ、雨に泣き、散り始めたといっては嘆く桜の花。
花は根に鳥は古巣にかへるなり春のとまりをしる人ぞなき
-崇徳院-

花のちる木のしたかげはをのづからそめぬさくらの衣をぞきる
-藤原仲実朝臣-

 花は桜木(さくらぎ)人は武士、と喩えられるように、散り際も鮮やかな花の下、桜吹雪の花影に酔い、花のじゅうたんに心を休めるひととき。咲き終わった花はその木の根元に散り落ちる。人生もいつか終わりを告げる。毎年この時期に思うこと、来年もまた桜の木の下で花と語れるだろうか。今年も桜の季節が終った。 

きもの園遊会

2008-04-05 21:04:34 | Weblog
和の街浅草が、きもの姿の美男美女で溢れた花の春。
 着物の一番似合う街浅草で、着物を再認識しようとはじめたきもの園遊会。今年は14回目になる。

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 着物を着れば初心者でも参加できる浅草の町のイベント。しかし、この方達の着こなしはベテランだ。

春爛漫、若さ爛漫、美酒爛漫、
 
きものの女王に囲まれて、外国の人もご満悦。

 浅草神社の前庭で行われた野点には、小学生のお点前も、お堂の前だけに堂に入ったもの。

ふりそそぐ春の陽ざしと花吹雪に、色香をました背中が眩しい。

 ましてや、襟足の美しい乙女の髪に舞い落ちた、一片(ひとひら)の花びらは、ゆく花の季節を惜しむよう。これぞ日本の美。

 今より少し若い頃、友人と着物で出かけたことがある。通りすがりの人の声、「どこの寄席に出てるのかしら」。やっぱり僕はお笑い系?(どこかにその画像が隠れています。【注】絶対にマウスを乗せないでください)

清明

2008-04-04 10:22:05 | Weblog
 二十四節気のひとつに、清明というのがあるらしい。今年は、今日4月4日がその日に当たる。気温も上昇し、草木には春の花が咲きみだれ、やわらかな東南の風が吹く花の季節。陽射しも明るくなり、ものみな生き生きと動き出す。万物清く陽気になる時期、そんな季節を意味するそうだ。

◇ ねこやなぎ ◇

人間に
ねこやなぎの
あたたかさが
つくれるだろうか

つくれても それを
雪の野に
つきたてておくことを
かんがえるだろうか

-星野富弘さん-
 
 冬枯れの枝に芽吹いた温かそうなねこやなぎも花開き、虫は羽を休め、また元気に飛び交う。  
 清明とは「清淨明潔」の略、清らかで曇りのないさまをいう、とある。あぁ~ぁ、また僕には無縁のものだ。

宝石箱

2008-04-03 07:06:08 | Weblog
 天使が落とした真珠の涙か、それとも春の淡雪か、季節はずれのホタルの乱舞か。遠くから鈴の音が聞こえてきそうな春の野に、宝石箱をひっくりかえしたように白く輝く花の群れ。

 心の片隅を明るく照らすシャンデリアのような花の名は、スズランスイセン。和名を大待雪草(おおまつゆきそう)というらしい。花言葉は「皆をひきつける魅力」「慈愛」「純潔」「純粋」「汚れなき心」「清純」「美」。どれも僕とは縁遠い。この中でひとつだけ持つことができるとしたら、それは「慈愛」。人は自分にないものに魅かれるという。だから白い花が好き。

いろはにほへど

2008-04-02 08:24:57 | Weblog
色は匂へど
 
散りぬるを

我が世誰そ

 常ならむ

有為の奥山 今日越えて

浅き夢見じ

酔(え)ひもせず

 無情な夜来風雨の声に、春はあけぼの花と散る、墨田の桜か山谷掘。この世は無常というけれど、花の色香も移ろいゆきて、愛のささやき有為転変、諸行無常か是生滅法(ぜしょうめっぽう)。儚く散りゆく花に似て、生滅滅已(しょうめつめつい)の葉桜も、寂滅為楽(じゃくめついらく)、恋に酔う。

値上げの春

2008-04-01 07:54:17 | Weblog
 新年度になった。やがて新学期が始まり、新社会人も生れる。希望に満ちた月である。しかし、何もかもが値上げの月でもある。また、高齢者にとっては背筋の寒くなる月である。真冬のような昨日の寒さのせいではない。年寄りに冷や水を浴びせる制度、後期高齢者医療制度のスタートのせいである。ガソリンの値下げは歓迎するが、これも政治の混迷によるものであり、手放しでは喜べない。住みにくい世の中だ。

 どこか変な世の中に、小便小僧もおしっこをチビるどころか出なくなってしまった。あぁ、どうしよう。夢も希望もない。どうかエイプリル・フールであって欲しい。