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からたちの花が咲いたよ
白い白い花が咲いたよ
からたちの花が咲いたよ
白い白い花が咲いたよ
からたちのとげはいたいよ
いい針のとげだよ
いい針のとげだよ
からたちのそばで泣いたよ
みんなみんなやさしかつたよ
みんなみんなやさしかつたよ
九州の柳川に生まれた北原白秋は、数多くの童謡や歌曲の作詩でも知られ、その作品は日本のこころでもある。白秋の詩はやさしさにあふれ、口ずさむと懐かしさが満ちてくる。
“からたちの花”をはじめ、白秋の詩の多くを作曲した山田耕作は、幼いころから工場で働く。10歳にも満たない耕作は、未明から夜半近くまで働き、工場の垣根のからたちの実を食べて、飢えをしのいだこともあったという。
幼い彼は、幾度となくからたちの垣根に走っては涙を流す。そんな時に声を掛けてくれた人のやさしさを白秋の詩に見い出し、幼いころの自分を重ね曲をつけたと述懐する。
山田耕筰は曲作りにあたって、日本語の抑揚を大切にしたという。彼の作品はどれもが、日本語の美しさを自然なメロディーに乗せて語りかける。からたちの花も、詩を詠むような旋律がいい。
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からたちの花が咲いたよ
白い白い花が咲いたよ
童謡は僕にとって、幼い昔に帰る大切なアイテムである。
からたちの花が咲いたよ
白い白い花が咲いたよ
童謡は僕にとって、幼い昔に帰る大切なアイテムである。