歩くたんぽぽ

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原発親子

2011年05月14日 | 社会
私の誕生日は、4月26日、チェルノブイリ原発事故の丁度2年後。
そして私の父の誕生日は、8月6日、広島に原爆が落とされた日。
ということで晴れてここに原発親子の誕生というわけだ。

3.11の福島第一原発の事故を受けて知ったのは、原発の危険さだけではない。
日本における権力と政治という構造的な問題である。
政府と電気会社の結託。
東京電力という巨大権力と支配力。
日本の閉鎖的な情報の流れ。
私は今回「知らない」ということの怖さを痛感した。

若者であればその存在を知らない人はいないであろう櫻井和寿率いる「ap bank」、
その監事であり反原発の立場で活動を続ける田中優さんは「日本は情報鎖国」だと言う。
テレビ、新聞、我々が普段の生活の中で受動的に触れる事のできる情報の裏では、
いずれもスポンサーとして東京電力が確固たる存在感をはなっている。
メディアの人にとって「脱原発」を唱えることが、どれだけ危険な行為であるかは想像に及ばない。
そのお陰で、日本における情報操作のいとも簡単な事。
福島の子供に限って、被曝量上限を20ミリシーベルトにあげるというが、
テレビで枝野官房長官や東大の教授が「大丈夫だ」といえば多くの人がその言葉によって安心してしまう。
「ただちに影響の出ないレベル」、裏を返せば「晩発性被曝は免れない」とも聞こえかねない。
本来、成人においても法律で定められている上限は1ミリシーベルトである。
本当にひどい話である。

「パニックを起こさないために」
それを合言葉のように繰り返し、政府と東電は重要な情報をすぐに隠し抑圧する。
本当の意味でパニックを回避したいのであれば、直ちに情報を開示することだ。

もはやテレビは何かを知る場所ではない。
ネットとテレビにおける情報の温度差と時間差に驚く。
ネット上ではツイッター、ブログに始まり、少しづつ本当の事を知ろうとする人の輪が広がっている。
YoutubeやUSTREAM、またニコニコ動画などの新しいメディアが一生懸命真実を伝ようと頑張っている。
フリージャーナリストの岩上安身さんは2010年に(株)Independent Web Journalを立ち上げた。
USTREAMでインタビュー動画などを配信する、Web上の新しいメディアである。
これは独占的権力からメディアを引き離し、真実を伝えようとする動きである。
ニコニコ動画では、昨日小出裕章さんが出演しているイベントをまるまる2時間生中継していた。
その中継の視聴者は約4万人にものぼったという。

何も知らないということは本当に怖い事だと思う。
自分一人の身を守るためであっても情報がいかに重要なものであるか知る必要がある。

私が原発について考えるきっかけになったのは、Youtubeにアップされた小出裕章さんの明治大学での講演である。
小出さんは京都大学原子炉実験所で働いており、長い間反原発を訴えている数少ない学者の一人である。
原発がどれだけ危険なものなのか、
そんな危険なものをなぜ日本は国をあげて推進してきたのか、
国がどのようにして原子力の必要性を国民に信じ込ませてきたか、
本当に原子力がないと日本の電力はまかなえないのか、
今日本国民一人ひとりに求められる事はなんなのか、
いろんなことを考えるいいきっかけになると思う。
その講演では会場に入りきらないほどの人が明治大学に駆けつけたという。

「終焉に向かう原子力」ー明治大学にて小出裕章さん講演(90分)

「2011.4.10 小出裕章取材 by岩上安身」ー京大の研究室にて小出裕章さんインタビュー(83分)
より専門的。小出さんの狭い研究室が印象的。

「5月13日 原発「安全神話」溶融」ー大阪の第七藝術劇場にて小出裕章さん、毎日放送ディレクター津村健夫さん(MBS『なぜ警告を 続けるのか~京大原子炉実験所 "異端の研究者たち"』制作)(120分)
ここでの質疑応答がとても面白い。これは今月13日夜にニコニコ動画にて生中継したイベントである。視聴者は4万人にのぼったという。

田中優さんは原発こそ経済性、生産性における不合理の根源だという。
反原発はヒステリックな人などというイメージも持たれがちだが、この話を聞くとまた変わるのではと思う。
彼は実に合理的かつ先進的な話をする。

「田中優 緊急講演会」ー田中優さん講演(122分)
この人の話は前向きで非常に分かりやすい。出来るだけ多くの人が聞くべき内容だと思う。

さて、原発娘はまた勉強にいそしむことにします。









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