

火曜日は埼玉西武ライオンズを相手に13得点の快勝で同一カード3連勝を果たした福岡ソフトバンクホークス。水曜日は西武戦4連勝を目指しました。今回の試合は試合開始前から色々ありましたが、意外な選手がこの試合の主役となったのです。
水曜日はソフトバンクがガトームソン、対する西武は涌井の先発かと思われましたが、ガトームソンが試合前の投球練習中に右内転筋を痛めたため登板回避。代わりに前日中継ぎで登板した高橋秀聡が先発を担当しました。その高橋ヒデは初回、プレッシャーからか3四球で2死満塁と先制のピンチを迎えますが、「おかわり」中村を見逃し三振に仕留めてピンチを切り抜けます。その裏、ソフトバンクは2死から松田が四球を選ぶと、松中の3塁ゴロを西武三塁手・中村がエラーで1,2塁となりますが、小久保が三振で倒れて先制点ならず。
秀聡はペースを掴んだのか、2,3回の2イニング連続で西武打線を三者凡退。4回には2死1,2塁のピンチを迎えますが、後続を打ち取って先制点を許しません。4回を投げ終えたところで毎回の6奪三振とスクランブル登板とは思えないような内容を見せます。
5回、1死から片岡に内野安打を許しますが、栗山の場面でこの日も先発マスクを被った高谷が片岡の盗塁を阻止。栗山がヒットのあと盗塁を試みますが、またも高谷が好返球を見せて栗山を2塁封殺!高谷が西武の1,2番コンビの盗塁を相次いで阻止!この勢いが後に続きます。その裏、高谷は西武先発・涌井の4球目のストレートを捉えると、打球はライトへ綺麗な放物線を描いてそのままスタンドイン!なんと嬉しいプロ第1号は試合の均衡を破る先制アーチ!高谷の一撃でソフトバンクが先制します。
女房役・高谷の一撃の援護をもらった秀聡は、先頭の中島にヒットを浴びると、ブラゼルを3塁ゴロで打ち取りますが、1塁走者・中島が一気に3塁まで進み同点のピンチ。ここでG.G,佐藤にタイムリー内野安打で同点にされます。続く中村に死球を与えて1死1,2塁としたところで降板。2番手で上がった陽耀勲(ヤン・ヤオシュン)は、代打・平尾に初球のストレートをレフトに弾き返されて満塁。わずか1球で降板され、3番手に久米が登板。しかし久米が悲惨でした。後藤にレフト線を破る2塁打で2失点、銀仁朗にはセンターへの犠牲フライ、片岡にはセンター前タイムリーで計4失点。この回打者一巡の猛攻で5失点と逆転を許しました。
逆転されたソフトバンクは、6回と7回は涌井の前に無得点。敗戦ムードが漂う中の8回、この回先頭の川崎がライト線を破る3塁打を放つと、松田のレフト前タイムリーで1点を返します。1死後、小久保の代打・金子が2塁打、レストビッチが四球を選んで満塁としたところで、涌井は降板となりました。満塁と絶好のチャンスを迎え、勢いのある荒金に期待がかかりましたが、結果は最悪の3塁ゴロ併殺打。せっかくの満塁のチャンスがパーとなりました。ああもったいない。
9回、6番手で登板した柳瀬が2死からヒットと2四球で満塁とダメ押しのピンチを招きますが、平尾を空振り三振に仕留めてダメ押し点を阻止。その裏、西武の守護神・グラマンが出てきたところでこの試合は終わりかと思われました。しかし、ソフトバンク打線がここから粘りを見せます。長谷川の代打・中西が3塁内野安打で出塁すると、高谷が西武1塁手の頭上を越えるライト前ヒットで無死1,3塁と反撃のチャンス。ここで本多がセンター前タイムリーで1点を返します。川崎は送りバント同等の1塁ゴロで1死2,3塁と同点のチャンス。この場面で松田に回りますが結果は投手ゴロ。3塁走者・高谷本塁に突入できず2アウト。松中敬遠で2死満塁の場面で、大村が代打で登場。その大村がやってくれました!グラマンの初球ストレートを上手くセンター前に弾き返す!高谷,本多が相次いで生還して同点!このあと、金子が四球を選んで満塁とサヨナラの大チャンスに荒金が登場しましたが、3球三振で3アウト。荒金またも満塁のチャンスで結果が出せず。勝負は延長戦に突入。
延長戦に入ったこの試合、ソフトバンクは7番手のニコースキーが10回と11回の2イニングを無失点に抑える好投を見せます。一方の打線は西武の中継ぎの前にサヨナラ点が奪えず勝負は12回に入ります。12回、8番手の三瀬が2死から内野安打による走者を与えますが、後続を抑えて西武の勝利を消滅させました。その裏、先頭の大村が四球で出塁。金子犠打で1死2塁と得点圏に走者を進め、荒金三振のあと、中西が内野安打で2死1,3塁の場面で高谷を迎えます。凡退すれば引き分けとなる場面でしたが、高谷は西武6番手・小野寺の初球をライト前に弾き返すサヨナラヒット!ソフトバンクが終盤の反撃から同点→高谷のサヨナラタイムリーで延長12回の死闘を制しました!!
ソフトバンク-西 武 16回戦
(ソフトバンク9勝7敗、ヤフードーム、18:03、35674人)
L 000 005 000 000 5
H 000 010 013 001x 6
(延長十二回)
【投手】
(西)涌井、正津、グラマン、岡本真、星野、小野寺-銀仁朗、細川
(ソ)高橋秀、陽耀勲、久米、竹岡、甲藤、柳瀬、ニコースキー、三瀬-高谷
【責任投手】
(勝)三瀬19試合2勝
(敗)星野36試合2勝1敗
【本塁打】
(ソ)高谷1号ソロ(5回、涌井)
9回2アウト満塁まで敗戦濃厚だったんですが、大村のタイムリーで同点に追いつけば、延長12回に先制アーチを放った高谷が試合にケリをつけるサヨナラ打を放ちました。16日の試合は高谷に始まり高谷に終わった一日でした。この日のヒーローの高谷は、守備では4回に盗塁を2回阻止すると、8回にはベンチにダイブしながらのキャッチしたという気迫溢れるプレーを見せました。打撃面では6打数3安打2打点の猛打賞。第4打席のヒットは、9回の同点のきっかけを作る一打でした。高谷はこの2連戦で10打数6安打4打点と大暴れ。この2日間の活躍をきっかけに大きく羽ばたいてくれる事を願っています。高谷の奮闘ぶりを見ていると、山崎や的山、田上秀則といったライバル捕手もうかうかしていられないでしょう。
さて今回先発に上がった高橋秀聡ですが、6回途中まで打者24人に対して5安打・1失点・7奪三振・四死球5という成績でした。高谷の本塁打で勝利投手の権利を得ましたが、同点に追いつかれて白星が消えました。それでも西武打線を相手に7奪三振は上出来かもしれません。初回の3四球はしょうがないです。重圧もありましたから。今後先発で登板する際は、6回以降投げ続けられる体力が求められそうです。
打線のほうですが、チーム全体で14安打とこの試合も2ケタ安打をマーク。川崎は3打席連続安打で猛打賞、本塁打が出ればサイクルヒットでした。9回から代打で出場した中西は、2本の内野安打を放ちました。残念なのは荒金が8回と9回の満塁のチャンスで凡退。9回の満塁の場面でサヨナラ打を放てば荒金がヒーローになっていました。日本ハム戦での4安打の勢いはどこへ行ったのでしょうか…。
これでチームは3連勝、対西武戦は4連勝となりました。2位の日本ハムも敗れたため、首位との差は3ゲーム、2位との差は1.5に縮まってきました。5位・楽天まで5ゲーム差とパリーグは大混戦。木曜日はお休みで、金曜日からは仙台で楽天との3連戦です。ここまで混戦状態になると胸が苦しくなりそうだ…。苦手のアウェーで勝ち越して、意気揚々とホームに帰れるよう頑張ってください!




