先週から始まった2020年春のGⅠシリーズ。開幕戦の高松宮記念は、1位入線のクリノガウディーが降着し、モズスーパーフレアが優勝という波乱の決着となりました。GⅠの無観客開催は4月19日の皐月賞までの予定ですが、さらに長引くと思います。
4月5日は阪神競馬場で古馬王道GⅠ・第64回大阪杯(GI・芝2000m 12頭立て)が行われました。京都記念快勝⑫クロノジェネシス、AJCCで復活を飾った③ブラストワンピース、GⅠ2勝の実績を持つ⑤ラッキーライラック、④ワグネリアン&⑨マカヒキの歴代ダービー馬のGⅠ馬5頭の他に、悲願の初GⅠを目指す⑧ダノンキングリー、①ロードマイウェイ、⑩ジナンボーなどが参戦しました。
単勝の人気は、1番人気ダノンキングリー(3.8倍)、2番人気ラッキーライラック(4.1倍)、3番人気ブラストワンピース(4.3倍)、クロノジェネシスとワグネリアンが4番人気(5.2倍)で並びました。
スタートは12頭綺麗に揃い、スタンド前の先行争いでラッキーライラックが前に出るかと思いきや、ダノンキングリーが先手を奪う。外からジナンボーが2番手につけ、クロノジェネシス3番手、ラッキーライラック4番手。ワグネリアンとマカヒキは中団、ブラストワンピースは8番手辺りでスタンド前を過ぎていった。
1,2コーナーを通過し、向正面に差し掛かるところで、ダノンキングリーが先頭、2番手にジナンボー、3番手にラッキーライラック、そのすぐ後ろの4番手にクロノジェネシスが控える。5番手グループには、内側ワグネリアン、真ん中⑥レッドジェニアル、外側に⑦ステイフーリッシュ。8番手にブラストワンピース、9番手②サトノソルタス、10番手マカヒキ、11番手にロードマイウェイ、最後方⑪カデナという展開。
内回り3コーナーを回り、ダノキンとジナンボーの2頭がレースを引っ張り、クロジェネが3番手に上がり、ライラック4番手に下がる。フーリッシュが5番手に押し上げ、ブラワンが外から進出開始。ワグネリは後方2番手に下がったか。4コーナーでジナンボーがダノキンに並びかける。
ラストの直線に入り、ダノンキングリーがもう一度盛り返すが、外からクロノジェネシスが脚を伸ばし、内に入ったラッキーライラックがダノキンとジナンボーの間を割ろうとする。残り200mを切って、粘るダノキンにクロジェネとライラックが接近すると、残り100mでライラックが抜け出す。クロジェネが2番手で追うも、ラッキーライラック先頭でゴールイン!クロノジェネシス2着、ダノンキングリーは3着フィニッシュ。
【大阪杯 全着順】
1着⑤ラッキーライラック 1分58秒4
2着⑫クロノジェネシス クビ差
3着⑧ダノンキングリー クビ差
4着⑪カデナ 3/4馬身
5着④ワグネリアン 1馬身1/4
6着⑩ジナンボー
7着③ブラストワンピース
8着⑥レッドジェニアル
9着⑦ステイフーリッシュ
10着②サトノソルタス
11着⑨マカヒキ
12着①ロードマイウェイ
単勝 ⑤ 410円
複勝 ⑤ 140円 ⑫ 160円 ⑧ 140円
枠連 5⃣-8⃣ 1130円
馬連 ⑤-⑫ 1110円
馬単 ⑤-⑫ 1970円
ワイド ⑤-⑫ 370円 ⑤-⑧ 340円 ⑧-⑫ 390円
3連複 ⑤-⑧-⑫ 1350円
3連単 ⑤-⑫-⑧ 7810円
無観客GⅠ開催の2週目は、2番人気のラッキーライラックが、クロノジェネシスとダノンキングリーの間を上手く割って1着。クロノジェネシスは外から追い込むも、ライラックのクビ差の2着。牝馬勢のワンツーフィニッシュになりました。大阪杯で牝馬が勝ったのは2015年のラキシス以来で、GⅠ昇格後は初めて。また、牝馬勢ワンツーは1998年(エアグルーヴ&メジロドーベル)までさかのぼります。
悲願のGⅠ初勝利の期待がかかったダノンキングリーは、先行策を取りながらもゴール前でかわされて3着。逃げを打ったのは正直予想外でした。4着のカデナはブービー人気を覆す好走で、ワグネリアンに先着。3番人気のブラストワンピースは7着に沈みました。昨年は1番人気で6着でしたね。
勝ったラッキーライラックは、2017年の阪神ジュベナイルフィリーズ、昨年のエリザベス女王杯に続き、3度目のGⅠ勝利。ライラックの父・オルフェーヴルは2013年の大阪杯で優勝しており、父娘制覇を果たしました。
鞍上のミルコ・デムーロ騎手は、大阪杯2勝目をマーク。レース後のインタビューでは「コロナウイルスはしんどいですけども、みんな一生懸命頑張りましょう」と競馬ファンにメッセージを送りました。ミルコの母国・イタリアはコロナウイルスで1万4千人以上も亡くなっているから、イタリアに捧げる勝利とも言えるでしょう。
この日のライラックは、道中は4番手で前を行くクロジェネをマーク。直線では馬場の内側から馬群を割って抜け出しました。中山記念で敗れたダノキンにリベンジを果たしたし、ミルコ騎手の馬群の裁き方も見事でした。エリ女を制して以降は香港ヴァーズと中山記念で2着、大阪杯優勝と、一時期のスランプから脱出して完全復活。「大器晩成」だったステイゴールドの血をしっかり受け継いでますね。