№1ステイヤー決定戦「第161回天皇賞・春」(GⅠ・芝3200m 17頭立て)が2日、阪神競馬場で行われました。2年連続の無観客開催となる今回の春天は、ビワハヤヒデが制した1994年以来27年ぶりとなる阪神開催。「1周目外回り→2周目内回り」という異例のコースで実施します。
今年の主なメンバーは、菊花賞でコントレイルを追い詰めた②アリストテレス、道悪の阪神大賞典で圧勝した⑫ディープボンド、令和最初の菊花賞馬①ワールドプレミア、さらには68年ぶりの牝馬制覇を目指す③カレンブーケドール・⑭ウインマリリン・⑯メロディーレーンの牝馬勢3頭、3年連続挑戦⑦ユーキャンスマイル、「春天のテスト大会」松籟ステークスを勝った⑤ディアスティマ、⑰オーソリティ、⑥マカヒキなどが参戦しました。
単勝の人気は、ディープボンドが1番人気(3.6倍)、アリストテレスが僅差で2番人気(3.8倍)、3番人気ワールドプレミア(5.2倍)、4番人気のカレンブーケドール(7.3倍)までが1ケタ台。その後はユーキャンスマイル、オーソリティ、ディアスティマ、ウインマリリン、⑮オセアグレイトと続きました。
向正面のスタートで、ディープボンドとアリストテレス、ディアスティマが好スタートを見せる。外回り3コーナーに向かっての先行争いで、ディアスティマと⑨ジャコマルが先手を主張するが、ディアスティマが先頭に立つ。カレンブーケドール・④シロニイ・ディープボンドが3番手集団を形成し、アリストテレスは6番手、7番手⑩ゴースト、8番手ウインマリリン、ワールドプレミアは9番手追走。10番手に⑪メイショウテンゲン、11番手メロディーレーン、12番手マカヒキ、13番手オーソリティ、14番手ユーキャンスマイル、15番手⑬ナムラドノヴァン、16番手⑧ディバインフォース、最後方にオセアグレイトという順。
かなり縦長の状態で最初のスタンド前に差し掛かり、先頭のディアスティマは最初の1000mを59秒8で通過。カレンブーケドール3番手、ディープボンドは外側4番手、アリストテレスは前の集団をしっかり見る形で6番手追走。ワールドプレミアは中団待機。ウインマリリンとオーソリティは中団よりやや後ろ、ユーキャンスマイル後方3番手でゴール板を通過。
17頭は1,2コーナーを通過し、再び向正面へ。ディアス先頭、ジャコ2番手、3番手ブーケドール、ボンド外側4番手、シロニイが5番手に下がって、アリテレ6番手。中団勢はワープレ・テンゲン・マカヒキ・ゴースト・マリリンと5頭が一団となり、オーソリ12番手、ドノヴァン13番手。後方勢は14番手メロディー、15番手ユーキャン、オセア16番手、ディバフォーがしんがりに下がる。
内回り3コーナーを回り、ディアスまだ先頭だが、ブーケドールが2番手、ボンドも3番手、アリテレ4番手、ワープレが5番手まで浮上。人気上位勢はみんな好位につけている。後続ではマリリンが5番手、オセアも中団馬群まで押し上げて、ユーキャンは中団グループの後ろの位置。
4コーナー手前でカレンブーケドールが先行するディアスティマを捕まえ、最後の直線コースに入ったところでわずかに先頭に躍り出る。ただ、ディアスティマも頑張っている。3番手からディープボンド、4番手からアリストテレス、大外からワールドプレミアも追い込んで来た。残り200mで先頭争いはディアス・ブーケドール・ボンド・ワープレの4頭の叩き合い。アリテレはやや遅れた。残り100mで今度はワープレが前に出て、ボンドが2番手。ブーケドールとオセアは後退。そしてゴール前でワールドプレミアが抜け出してゴールイン!菊花賞馬ワールドプレミア、1年半ぶりの復活勝利!
【天皇賞・春 全着順】
1着 ワールドプレミア 3分14秒7
2着 ディープボンド 3/4馬身
3着 カレンブーケドール 2馬身
4着 アリストテレス アタマ差
5着 ウインマリリン 2馬身1/2
6着 ディアスティマ
7着 ユーキャンスマイル
8着 マカヒキ
9着 ナムラドノヴァン
10着 オーソリティ
11着 メロディーレーン
12着 ゴースト
13着 オセアグレイト
14着 メイショウテンゲン
15着 ディバインフォース
16着 シロニイ
17着 ジャコマル
【払戻金】
単勝 ① 520 円
複勝 ① 160円 ⑫ 150円 ③ 200円
枠連 1⃣-6⃣ 470円
馬連 ①-⑫ 940円
馬単 ①-⑫ 2,220円
ワイド ①-⑫ 360円 ①-③ 500円 ③-⑫ 530円
3連複 ①-③-⑫ 2,040円
3連単 ①-⑫-③ 11,490円
27年ぶりの仁川決戦は、ラストの直線で4頭が先頭争いを繰り広げる激戦となりましたが、最後はワールドプレミアがディープボンドを競り落として優勝しました。1番人気のディープボンドは3/4馬身差の2着、牝馬制覇の期待が高かったカレンブーケドールは、直線で一旦は先頭に立つも3着でフィニッシュ。ブーケドールは力はあるのに、歯痒いレースが続きますね。最近は牝馬優勢だけど、牝馬が春天で勝つのは難しいのかな。2番人気のアリストテレスは4着に終わり、クリストフ・ルメール騎手の天皇賞の連勝もストップ。結果的には人気上位馬が独占する結果に終わりました。
勝ったワールドプレミアは、2019年の菊花賞以来の勝利を挙げ、GⅠも2勝目。鞍上の福永祐一騎手は、春天初勝利(秋を含めると通算2勝目)。父の洋一さんも1976年に優勝しており、これで父子制覇となりました。友道康夫調教師は1998年のアドマイヤジュピタ以来、13年ぶりの同レース勝利であります。
ワールドプレミアは一昨年の有馬記念の後に11か月の長期休養。復帰戦となった昨年のジャパンカップで6着、有馬で5着、前走の日経賞で3着と着実に順位を上げていました。復帰4戦目となったこの日は、スタート直後から7番手で追走。2周目の3,4コーナー辺りで、ディープボンドが早めに仕掛けたのに対し、ワープレの福永騎手は手綱を持ったまま。直線では外から末脚が伸び、ブーケドールとボンドらを差し切りました。無観客の舞台でGⅠ馬の意地を見せましたね。
今回は福永騎手が騎乗しましたが、次走の宝塚記念に参戦する場合は、武豊騎手に戻ると思います。宝塚にはクロノジェネシス、コントレイル、デアリングタクト、レイパパレ、ラヴズオンリーユーなどが出走予定ですが、ワープレも参戦すれば、超豪華メンバーになりそうだ。