3歳牝馬三冠の最終戦・第26回秋華賞(GⅠ・芝2000m 16頭立て)が17日、阪神競馬場で行われました。京都競馬場の改修工事により、初めての阪神開催となる今年は、白毛の桜花賞馬④ソダシ、オークス馬⑪ユーバーレーベン、アパパネとの母娘制覇に挑む⑫アカイトリノムスメ、ローズステークスを勝った⑨アンドヴァラナウト、紫苑ステークス快勝⑭ファインルージュ、阪神2000mの忘れな草賞を勝った②ステラリア、⑩アールドヴィーヴルなどが参戦しました。
単勝の人気は、1番人気がソダシ(1.9倍)、2番人気ファインルージュ(5.6倍)、3番人気アンドヴァラナウト(7.3倍)、4番人気のアカイトリノムスメ(8.9倍)までが10倍以下。その後はユーバーレーベン、アールドヴィーヴル、①スルーセブンシーズ、⑮アナザーリリック、②ステラリアと続きました。
スタートでソダシが良い飛び出しを見せた一方、⑬ホウオウイクセルが出遅れてしまう。ユーバーレーベンもやや遅れ気味。正面スタンド前の先行争いで、⑩エイシンヒテンがスッと前に出て、ソダシは2番手につける。その後にスルーセブンシーズ、アールドヴィーヴル、アンドヴァラナウト、アカイトリノムスメなどが前方に位置付け、ファインルージュは中団、ユーバーレーベンは後方2番手で1コーナーを回る。
2コーナーから向正面に差し掛かり、エイシンヒテンが単騎で逃げ、ソダシ2番手を追走。3番手アールドヴィーヴル、4番手にスルーセブンシーズ、5番手アンドヴァラナウト、アカイトリノムスメがその後ろの6番手。中団勢は、7番手③クールキャット、8番手⑦サルファーコスモス、9番手アナザーリリック、10番手⑥スライリー、11番手のところにファインルージュがいる。12番手ステラリア、13番手⑯ミスフィガロ、14番手⑧エンスージアズム、ユーバーレーベンは15番手、最後方にホウオウイクセル。
内回り3コーナーを回り、残り600mのところでソダシが先頭のヒテンに接近。アールド3番手、アカイトリが外側4番手、アンドヴァ6番手、ルージュが外に持ち出し、ユーバーはまだ後方。
4コーナーを通過して最後の直線に入っても、エイシンヒテンがまだ先頭。ソダシが2番手で追うもヒテンを捕まえきれない。後続からアカイトリノムスメ、アンドヴァラナウト、アールドヴィーヴルが追い込み、さらに一番外からファインルージュも脚を伸ばす。残り200mでアカイトリとアンドヴァがソダシをかわすと、残り100mでアカイトリがヒテンを抜いて先頭。ソダシは馬群に飲み込まれてしまった。ゴール前でアカイトリが抜け出し、内でアンドヴァが食い下がり、ルージュが外から突っ込んてきたが、アカイトリノムスメが先頭でゴール!ファインルージュは2番手、アンドヴァラナウトは3番手。
【秋華賞 全着順】
1着 アカイトリノムスメ 2分01秒2
2着 ファインルージュ 1/2馬身
3着 アンドヴァラナウト 1/2馬身
4着 エイシンヒテン 1馬身1/2
5着 スライリー クビ差
6着 ステラリア
7着 アールドヴィーヴル
8着 アナザーリリック
9着 ミスフィガロ
10着 ソダシ
11着 スルーセブンシーズ
12着 サルファーコスモス
13着 ユーバーレーベン
14着 エンスージアズム
15着 クールキャット
16着 ホウオウイクセル
【払戻金】
単勝 ⑫ 890円
複勝 ⑫ 260円 ⑭ 190円 ⑨ 240円
枠連 6⃣-7⃣ 1,330円
馬連 ⑫-⑭ 2,250円
馬単 ⑫-⑭ 4,890円
ワイド ⑫-⑭ 800円 ⑨-⑫ 1,030円 ⑨-⑭ 710円
3連複 ⑨-⑫-⑭ 4,190円
3連単 ⑫-⑭-⑨ 26,410円
牝馬三冠の最後の一冠を手にしたのは、ディープインパクト×アパパネの超良血馬・アカイトリノムスメでした。道中6番手追走から、最後の直線で外から抜け出して優勝しました。2番人気のファインルージュは大外強襲も届かず2着、アンドヴァラナウトはインを突いて3着。秋華賞トライアルの勝ち馬が本番で上位に入ったのは久しぶりですね。スローペースで逃げ続けたエイシンヒテンも4着と粘りました。
桜花賞との2冠を狙ったソダシは10着と大敗。スタートも悪くなかったし、札幌記念のときと同じく2番手につけたけど、3コーナーで吉田隼人騎手の手が動き、直線では伸びを欠いて馬群に沈みました。レース後のコメントで「ゲートにぶつけて歯が折れた」とのこと。思えばブチコもゲート難だったなぁ。同じ距離の札幌記念を勝ち、阪神コースの相性抜群だから勝利は堅いと思われましたが、思わぬアクシデントに泣かされました。
もう一頭のGⅠ馬のユーバーレーベンは13着。オークス後に左前脚の屈腱周囲炎を発症、その影響もあったのでしょうか。一部情報ではレース中に外傷性鼻出血を発症したらしいですが、真偽不明。
勝ったアカイトリノムスメは、クイーンカップ以来となる重賞2勝目で、通算4勝目をマーク。秋華賞初勝利の戸崎圭太騎手は、昨年のチャンピオンズカップ以来のGⅠ勝利。国枝栄調教師はアパパネ、アーモンドアイに次いで同レース3勝目。同レースの母娘制覇は史上初です。
アカイトリは両親ともに三冠馬と話題性があって、しかも実力あるんですが、同じ馬主のソダシに注目が集まっていました。桜花賞で4着、オークスで2着と惜しいレースが続き、今回の秋華賞で念願のGⅠ制覇を果たしました。良血開花で今後の快進撃が非常に楽しみです。
牝馬三冠も終わり、桜花賞はソダシ、オークスはユーバーレーベン、秋華賞はアカイトリノムスメが優勝。「最優秀3歳牝馬」争いは、札幌記念で古馬を撃破したソダシが現時点で優勢かと思っています。アカイトリは古馬GⅠでの勝利が必要でしょう。