夏競馬唯一のGⅡレース・第59回札幌記念(GⅡ・芝2000m 15頭立て)が20日、札幌競馬場で行われました。毎年GⅠ級のメンバーが集結するこのレース、今年は春の大阪杯でGⅠ初制覇を果たした⑤ジャックドールが連覇に挑み、香港ヴァーズ覇者②ウインマリリン、2021年日本ダービー馬④シャフリヤールのGⅠ馬3頭に加え、ドバイターフ2着④ダノンベルーガ、香港GⅠ2着⑬プログノーシス、重賞2勝①ソーヴァリアント、古豪⑫ヒシイグアス、メンバー唯一の3歳馬⑩トップナイフなどが参戦しました。
単勝オッズは、1番人気ジャックドール(2.3倍)、2番人気プログノーシス(5.1倍)、3番人気ダノンベルーガ(6.3倍)、4番人気ソーヴァリアント(7.9倍)、5番人気シャフリヤール(9.1倍)まで10倍以下でした。
スタートは15頭横一線に飛び出し、正面スタンド前のポジション争いで、ジャックドールが先手を取るかと思ったら、⑮ユニコーンライオンが先頭を奪う。さらに⑨アフリカンゴールド2番手、ウインマリリンが3番手につけ、ジャックドールは4番手から。シャフリヤールは5番手、⑧マテンロウレオ8番手、⑪ラーグルフ9番手、ソーヴァリアント10番手、ダノンベルーガ11番手、プログノーシス14番手でゴール板を過ぎていった。
1コーナーを回り、ユニコーンライオンが先頭、2番手にアフリカンゴールド、3番手ウインマリリンと先行勢3頭が後続との差をつける。離れた4番手の位置にジャックドール、5番手集団にトップナイフ・シャフリヤール・⑦ヤマニンサルバムの3頭が並ぶ。プログノーシスが8番手まで押し上げ、9番手グループに③ウインマイティー・ソーヴァリアント・マテンロウレオ。12番手ダノンベルーガ、13番手ラーグルフ、14番手ヒシイグアス、最後方に⑭イズジョーノキセキという展開。
3,4コーナー中間のところで先頭争いが激しく変化。ナイフが最内を突いて先頭に浮上。レースを引っ張ったユニコーンとアフリカンは後退。マリリンとプログが外に持ち出し、4番手のジャックドールは大外に回る。ダノベルも内ラチ沿いから進出開始。後方のイグアスもスパート。シャフリは後方に下がる。
4コーナーから最後の直線に入り、トップナイフがまだ先頭だが、2番手に上がったプログノーシスが馬場の真ん中から末脚を伸ばし、残り200mで先頭に立った!3番手争いではダノンベルーガ、ソーヴァリアント、ジャックドール、ヒシイグアスの4頭が叩き合う。先頭のプログは残り100mで一気に突き放し、そのまま1着ゴールイン!トップナイフが2着で粘り、ソーヴァリアントが3番手入線。
【札幌記念 全着順】
1着⑬プログノーシス 2分01秒5
2着⑩トップナイフ 4馬身
3着①ソーヴァリアント 3馬身
4着⑥ダノンベルーガ 3/4馬身
5着⑬ヒシイグアス クビ差
6着⑤ジャックドール
7着⑭イズジョーノキセキ
8着⑪ラーグルフ
9着②ウインマリリン
10着⑦ヤマニンサルバム
11着④シャフリヤール
12着⑨アフリカンゴールド
13着③ウインマイティー
14着⑧マテンロウレオ
15着⑮ユニコーンライオン
【払戻金】
単勝 ⑬ 510円
複勝 ⑬ 200円 ⑩ 800円 ① 300円
枠連 6⃣-7⃣ 4,580円
馬連 ⑩-⑬ 13,680円
馬単 ⑬-⑩ 18,640円
3連複 ①-⑩-⑬ 28,200円
3連単 ⑬-⑩-① 168,930円
ワイド ⑩-⑬ 3,730円 ①-⑬ 940円 ①-⑩ 4,300円
真夏のスーパーGⅡは、単勝2番人気のプログノーシスが直線突き抜け、2着に4馬身差の圧勝を飾りました。トップナイフは最内を上手く利用して一度は先頭に浮上、プログノーシスにかわされるも2着と健闘。3着のソーヴァリアントは2走前の中山記念で9着、前走の鳴尾記念で12着でしたが、2走連続の凡走が嘘のような走りを見せました。3番人気のダノンベルーガは4着でした。
GⅠ馬3頭ですが、1番人気のジャックドールは6着に終わり、2連覇ならず。ウインマリリンは9着、シャフリヤールは11着とみんな掲示板を外しました。ジャックドールは稍重の馬場に苦戦したと思います。3,4コーナーで馬場の良い外側から追い上げを狙いましたが、最後に沈みました。これで札幌記念の1番人気馬は12連敗です。シャフリヤールはレース後の検査で「喉頭蓋エントラップメント(喉鳴りの一種)」という喉の病気が判明し、近く手術を受ける事が発表されました。過去にはグランアレグリアやシーキングザパールが喉の手術を受けた後にGⅠを勝っているので、シャフリも復活してもらいたいところですが・・・。
優勝したプログノーシスは、今年3月の金鯱賞に次ぐ重賞2勝目。鞍上の川田将雅騎手はこのレース3勝目で、中内田充正厩舎は初勝利。前走は香港GⅠのクイーンエリザベス2世カップに出走しましたが、ロマンチックウォリアーに敗れて2着でした。
今回は、最初のスタンド前では後方2番手につけますが、向正面ではインコースから中団まで押し上げ、3コーナーで外寄りに進路を変え、直線で抜け出した後は差をどんどん拡げました。GⅠ馬が3頭いて、前日の雨の影響が残る馬場で4馬身差をつけての完勝。秋のGⅠ戦線へ弾みをつけたでしょう。「香港ヴァーズ」が目標みたいなことを言ってますが、今回の内容なら「香港カップ」に向かっても良さそう。できればザック・パートンではなく、川田騎手とのコンビでロマンチックウォリアーにリベンジしてほしいですね。