2020年に最も活躍した競走馬を選出する「2020年度 JRA賞」の競走馬部門の受賞馬が6日に発表されました。昨年はアーモンドアイが芝GⅠの最多勝記録を塗り替え、牡馬と牝馬の同時三冠馬誕生と話題の多かった1年でした。年度代表馬に選ばれたのは、この馬でした。
【年度代表馬&最優秀4歳以上牝馬】アーモンドアイ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)
アーモンドアイが2年ぶり2度目の年度代表馬に選出。ヴィクトリアマイルで圧勝すると、秋の天皇賞で芝GⅠ8勝目の新記録達成。さらに三冠馬3頭が対戦したジャパンカップで、コントレイルとデアリングタクトを抑えて完勝。見事な有終の美を飾りました。記者投票でも236票を獲得し、最優秀4歳以上牝馬との2冠を獲得しました。
【最優秀2歳牡馬】 ダノンザキッド(牡2歳、栗東・安田隆行厩舎)
ダノンザキッドはデビューから無傷の3連勝でホープフルステークスを勝利。ホープフルS優勝馬の受賞は2年連続。この馬は間違いなく来年のクラシックの主役になるでしょう。
【最優秀2歳牝馬】 ソダシ(牝2歳、栗東・須貝尚介厩舎)
記者投票で満票を獲得。札幌2歳ステークス、アルテミスステークスと重賞連勝。年末の阪神ジュベナイルフィリーズで白毛馬として初のGⅠ制覇を果たしました。この春はトライアルを使わずに桜花賞を直行。無敗のまま桜の女王となるか?
【最優秀3歳牡馬】 コントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)
3歳牡馬クラシックでは父・ディープインパクトとの父子無敗3冠制覇を達成。ジャパンカップで初めての敗戦を喫しましたが、負けてなお強しを印象づけました。今年は大阪杯から始動予定。ディープは4歳時にGⅠを4勝しましたが、果たして息子は?
【最優秀3歳牝馬】 デアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)
桜花賞では2歳女王のレシステンシアを破り、わずか3戦目で桜花賞制覇。その後もオークス、秋華賞も制し、史上初の無敗3冠牝馬となりました。今年は初戦に金鯱賞に参戦。大阪杯参戦に消極的ってことは、府中マイル路線に進むのではないかと思われます。コントレイルとの再戦、クロノジェネシスとの対戦はいつどこで実現するのか?
【最優秀4歳以上牡馬】 フィエールマン(牡5歳、美浦・手塚貴久厩舎)
春の天皇賞で2連覇を達成し、秋シーズンも秋天で2着、有馬でも3着と健闘。そのフィエールマンは右前脚球節の繋靭帯炎のため現役引退を表明。今後は種牡馬としての活躍が期待されます。
【最優秀短距離馬】 グランアレグリア(牝4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)
安田記念では女王・アーモンドアイに完勝し、秋にはスプリンターズステークスとマイルチャンピオンシップを連勝。今年は4戦3勝と大活躍。中距離路線への転向もうわさされていますが、個人的には高松宮記念とヴィクトリアマイルに参戦して「古馬短距離GⅠ完全制覇」の偉業を見てみたい。
【最優秀ダートホース】チュウワウィザード(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)
昨年は川崎記念とチャンピオンズカップのGⅠ2勝をマーク。特にCCでは国内無敗だったクリソベリルを破っての勝利。この勝利が高く評価されての受賞となりました。
【最優秀障害馬】 メイショウダッサイ(牡7歳、栗東・飯田祐史厩舎)
ペガサスジャンプステークスを勝った後、中山グランドジャンプではオジュウチョウサンの2着。その後、東京ハイジャンプと中山大障害と重賞連勝。4戦3勝の成績で最優秀障害馬に選ばれました。
【特別賞】
・クロノジェネシス(牝4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)
グランプリレース春夏連覇を達成したクロノジェネシスが特別賞を受賞。宝塚記念では道悪の馬場で6馬身差の圧勝。有馬記念ではファン投票第1位に選ばれ、レース当日も1番人気に応えて勝利。アーモンドとグラアレの活躍が目立つけど、クロジェネのGP連勝も立派な快挙です。
・藤沢和雄調教師(JRA通算1500勝を達成)
6月13日の函館10R「駒ケ岳特別」で厩舎の管理馬・シークレットアイズが1着となり、史上2人目のJRA通算1500勝を達成。9月には美浦トレーニングセンターに記念碑が建てられました。ここまでの通算1525勝は歴代2位。2022年の停年までに勝利数をどれだけ重ねることができるのだろうか。
調教師・騎手部門
最多勝利調教師 矢作芳人(栗東) 60勝
最高勝率調教師 友道康夫(栗東) 0.188
最多賞金獲得調教師 矢作芳人(栗東) 22億6,146万0,000円
優秀技術調教師 矢作芳人(栗東)
JRA最多勝利騎手 C.ルメール(栗東) 204勝
JRA最高勝率騎手 川田将雅(栗東) 0.281
JRA最多賞金獲得騎手 C.ルメール(栗東) 45億3,913万0,000円
MVJ C.ルメール(栗東)
最優秀障害騎手 森一馬(栗東)
最多勝利新人騎手 該当者なし
調教師部門は矢作調教師が3冠を獲得し、騎手部門はルメール騎手が3冠獲得。矢作氏はコントレイルで重賞4勝、さらにはモズアスコットがフェブラリーステークスを勝ちました。ルメール騎手は自身2度目の年間200勝、GⅠも年間最多タイの8勝を挙げてました。特に秋GⅠでは4連勝のときもありましたなあ。アーモンドアイのいない今年は、GⅠで何勝するんですかねぇ?