2021年の中央競馬が1月5日に開幕しました。この日は新春恒例の東西金杯が行われ、中山金杯は中距離界の新星候補が現れ、中京開催の京都金杯は波乱の決着となりました。
第70回日刊スポーツ賞中山金杯(GⅢ・芝2000m 17頭立て)は、昨年の牡馬クラシック皆勤賞⑪ディープボンド、⑰バイオスパーク・⑭ヴァンゲドミンゴ・②テリトーリアルといった「福島記念組」、2連勝中⑨ヒシイグアス、小倉記念覇者⑩アールスター、昨年のダービー以来の実戦⑮ダーリントンホール、⑥カデナ、③ココロノトウダイ、⑬シークレットランなどが参戦しました。
スタート後の先行争いで、⑫ロザムールが先頭に立ち、⑯ウインイクシード2番手、テリトーリアルが3番手。ヒシイグアス・ヴァンゲドミンゴ・ココロノトウダイも先団につけ、ディープボンドとダーリントンホールは中団につけ、カデナは最後方で1コーナーを回る。
2コーナーから向正面のところで、ロザムール先頭、2番手ウインイクシード、3番手にテリトーリアル、4番手にヴァンゲドミンゴが上がり、5番手⑧リュヌルージュ、ココロノトウダイとバイオスパークが6,7番手で並び、ヒシイグアスは8番手、外側9番手にダーリントンホール。中団より少し後ろの10番手にディープボンドがいて、11,12番手のところに⑤ショウナンバルディと④マイネルサーパス。13番手シークレットラン、14番手⑦マウントゴールド、15番手にアールスター、後方には①ロードクエスト16番手、カデナがしんがりという展開。
3コーナーを回り、まだロザムールが先頭だが、イクシードが並びかけ、ヴァンゲが3番手、テリトー4番手、スパークが5番手に上がる。トウダイとイグアスはまだ中団。ロークエが大外から捲るようにポジションを押し上げ、カデナも後方から追い上げる。ボンドはまだ後方の位置。
4コーナーから最後の直線に差し掛かり、先頭争いはロザムールとウインイクシードの2頭が競り合い、後続からテリトーリアル,ヴァンゲドミンゴ,ココロノトウダイ,ヒシイグアスの4頭が追い込んでくる。残り100mでイグアスとトウダイが逃げ粘るロザムールとイクシードを捕らえ、ゴール前でイグアスが前に出てゴールイン!最後に抜けたヒシイグアスが中山金杯を制しました。
関東での最初の重賞レースは、1番人気・ヒシイグアスと5番人気・ココロノトウダイが競り合いましたが、ヒシイグアスがクビ差で勝利しました。道中2番手を走っていたウインイクシードは3着、逃げたロザムールも4着と健闘しました。3番人気だったテリトーリアルは6着、4番人気のヴァンゲドミンゴは11着、2番人気のディープボンドは見せ場もなく14着に終わっています。
ヒシイグアスは昨年4月の石和特別、11月のウェルカムステークスに続いての3連勝で重賞初制覇。3連勝する前は2戦連続で2着だったので、これで5連続連対となりました。この春の大阪杯に出てほしい。鞍上の松山弘平騎手は、このレース初勝利。昨年は京都金杯で勝っており、2年連続で金杯制覇です。昨年は京都金杯を勝った後、デアリングタクトとのコンビで牝馬3冠を制覇。今年もまた金杯で勝ったから、GⅠを勝ちそうな気がします。
第59回スポーツニッポン賞京都金杯(GⅢ・芝1600m 16頭立て)は、2連勝中⑩シュリ、左回りが得意な④ピースワンパラディ、重賞2勝⑭タイセイビジョン、関屋記念を勝った⑮サトノアーサー、⑧レッドガラン、⑯トリプルエース、①ケイアイノーテック、③ロードマイウェイ、⑤メイケイダイハードなどが出走しました。
スタートで⑨ブラックムーンとシュリが出負け。⑪ボンセルヴィーソがハナに立つが、すぐに⑬エントシャイデンが
奪い取る。タイセイビジョン3番手、4番手ピースワンパラディ、その後ろの5番手にシュリが追走する。内側6番手から②ケイデンスコール、7番手メイケイダイハード、8番手サトノアーサー、9番手に⑫ラセットと続く。中団勢は10番手⑥レッドアネモス、11番手以降はトリプルエース・⑦スマートオーディン・レッドガランと固まり、14番手ロードマイウェイ、15番手ブラックムーン、しんがりにケイアイノーテックという展開。
3コーナーをカーブし、先頭のシャイデンは前半800mを46.9秒で通過。ボンヴィー2番手、タイビジョ3番手、ケイデンスが4番手に上がり、シュリ5番手、パラディ6番手。トリプルは中団馬群、ガランは中団より後ろの位置。
最後の直線のところで、ボンセルヴィーソが内で粘るエントシャイデンをかわして先頭に浮上。その外からケイデンスコールが接近する。さらにはシュリ、タイセイビジョン、ピースワンパラディも追い込んできている。残り100mでケイデンスが抜け出し、一番外からパラディが突っ込んできたが、ケイデンスコールがそのまま先頭でゴールイン!ケイデンスコールが久しぶりの重賞制覇!
初めての中京開催となった京都金杯は、単勝12番人気のケイデンスコールがゴール前突き抜けて完勝。2着には2番人気のピースワンパラディ、序盤から逃げて3着と粘ったエントシャイデンは単勝14番人気。人気薄2頭が入ったので、3連単「②-④-⑬」の組み合わせで1,228,010円の高配当。1番人気だったシュリはスタートで後手を踏んだのが大きく響いて5着。3番人気のレッドガランも6着でした。
勝ったケイデンスコールは、2018年8月の新潟2歳ステークス以来、実に2年5か月ぶりの勝利を挙げ、通算3勝目をマーク。かつてはNHKマイルカップで2着に入り、最近は1400mのレースで5着と6着。この日は向正面で内側に入ると、3コーナーで4番手。直線では内から外に進路を変えると、一気に抜け出しました。ゴール直後に岩田康誠騎手のガッツポーズが出てました。それだけ快心の騎乗だったと思います。