2020年に生まれたサラブレッド7708頭の頂点を決める競馬の祭典・第90回日本ダービー(東京優駿 GⅠ・芝2400m 18頭立て)が28日、東京競馬場で行われました。デビュー3戦負けなしで皐月賞を制した⑤ソールオリエンスが、コントレイル以来となる無敗の2冠制覇に挑戦。さらには青葉賞馬②スキルヴィング、皐月2着⑫タスティエーラ、ダービー6勝・武豊騎乗⑬ファントムシーフ、ホープフルステークスを制した⑰ドゥラエレーデ、京都新聞杯を制したサトノダイヤモンド産駒⑱サトノグランツ、プリンシパルステークス優勝⑯パクスオトマニカ、毎日杯から直行⑬シーズンリッチ、⑩シャザーン、⑪ハーツコンチェルトなどが参戦しました。
単勝のオッズは、ソールオリエンスが1.8倍で1番人気、2番人気スキルヴィング(4.5倍)、3番人気フリームファクシ(6.9倍)、4番人気 タスティエーラ(8.3倍)。5番人気以降は大きく離れ、シャザーン、ハーツコンチェルト、サトノグランツ、ドゥラエレーデ、①ベラジオオペラと続きました。
注目のスタートで、ドゥラエレーデの坂井瑠星が落馬!いきなり波乱が起きた90回目のダービー、先行争いで③ホウオウビスケッツが前に出るが、外から⑯パクスオトマニカが一気にかわす。シーズンリッチ、ベラジオオペラ、タスティエーラも先団に加わる。ソールオリエンスは中団より前の位置、スキルヴィングとフリームファクシとシャザーンとサトノグランツは中団より後ろのところでスタンド前を通過した。
1,2コーナーのところで、パクスオトマニカが先頭、ホウオウビスケッツ2番手、3番手にシーズンリッチ、4番手⑧メタルスピード、5番手タスティエーラ、その後ろにソールオリエンスが6番手追走する。7番手⑮ノッキングポイント、8番手ベラジオオペラ、9番手⑨グリューネグリーン。ファントムシーフが10番手に上がり、11番手⑦フリームファクシ、12番手シャザーン、13番手スキルヴィング、14番手ハーツコンチェルト、15番手サトノグランツ。後方は16番手④トップナイフ、17番手⑥ショウナンバシット。
3コーナーを回り、先頭を行くオトマニカは、後続に大差をつけて逃げている。ビスケッツ2番手、リッチ3番手、タスティ4番手、スキヴィンとハーコンは外に持ち出し、オリエンスは7番手、ファントム9番手、ベラジオ10番手。
17頭が4コーナーを回り、最後の直線へ!パクスオトマニカがまだ先頭をひた走るが、2番手以降との差が徐々に縮まっていく。2番手からホウオウビスケッツ、3番手からタスティエーラが追い上げ、ソールオリエンスはまだ6,7番手。残り200mでタスティがオトマニカを捕まえて先頭に躍り出る。内からビスケッツ、ベラジオが最内に入る。外からようやくオリエンスもやって来て、ハーツコンチェルトも追い込んで来た。残り100mを切り、タスティ先頭、内からベラジオ、外からオリエンスとコンチェルトが迫るが、タスティエーラが先頭でゴールイン!ソールオリエンス猛追も届かず2着争い・・・。
【日本ダービー 全着順】
1着⑫タスティエーラ 2分25秒2
2着⑤ソールオリエンス クビ差
3着⑪ハーツコンチェルト ハナ差
4着①ベラジオオペラ ハナ差
5着⑮ノッキングポイント 1馬身
6着③ホウオウビスケッツ
7着⑬シーズンリッチ
8着⑭ファントムシーフ
9着⑩シャザーン
10着⑧フリームファクシ
11着⑱サトノグランツ
12着⑧メタルスピード
13着⑯パクスオトマニカ
14着④トップナイフ
15着⑨グリューネグリーン
16着⑥ショウナンバシット
17着②スキルヴィング
中止⑰ドゥラエレーデ
単勝 ⑫ 830円
複勝 ⑫ 200円 ⑤ 120円 ⑪ 380円
枠連 3⃣-6⃣ 560円
馬連 ⑤-⑫ 690円
馬単 ⑫-⑤ 2,330円
3連複 ⑤ー⑪-⑫ 4,700円
3連単 ⑫-⑤ー⑪ 29,810円
ワイド ⑤-⑫ 360円 ⑪-⑫ 1,970円 ⑤ー⑪ 820円
90回目の競馬の祭典は、単勝4番人気のタスティエーラが混戦を制し、平成20年生まれ世代の頂点に立ちました。無敗の2冠を狙ったソールオリエンスはゴール前猛追見せるも、クビ差及ばず2着。ディープインパクト、オルフェーヴル、コントレイルと同じ「3枠5番」に入ったときは、2冠は決定的だと思っていましたが・・・。横山武史騎手はまたしても僅差でダービージョッキーの座を逃しました。
3着には6番人気のハーツコンチェルトが入り、3番人気のファントムシーフは8着、シャザーンは9着。
2番人気のスキルヴィングは17着でゴールした後に転倒、急性心不全で死亡しました。「今年こそ青葉賞馬初のダービー制覇なるか」と期待されていましたが、呪いを解けませんでした。ルメール騎手と木村哲也調教師にとっては、昨年のイクイノックスの雪辱を果たしたかっただけに、非常に悔しく、悲しい結果となりました。
また、ドゥラエレーデがスタート直後に落馬競走中止。こちらは人馬共に以上ありませんでした。スタート即落馬は、1993年のマルチマックス以来30年ぶりの珍事です。
優勝したタスティエーラは、弥生賞ディープインパクト記念に次ぐ重賞2勝目。弥生賞馬から3年連続でクラシックウィナーが誕生しましたが、ダービー馬になったのは2016年のマカヒキ以来となります。鞍上のダミアン・レーン騎手は、4度目の挑戦で日本ダービー初勝利。外国人騎手のダービー制覇は史上3人目です。1954年のゴールデンウェーブの岩下密政騎手を最後にテン乗りのダービー勝利がなく、ダービーのジンクスの一つと言われてましたが、69年ぶりに破れました。堀宣行調教師は2015年のドゥラメンテ以来となるダービー2勝目。サトノクラウン産駒はGⅠ初制覇で、同期のドゥラメンテとキタサンブラックより先にダービー馬を輩出しました。
タスティエーラは前走の皐月賞で直線早めに抜け出すも、ソールオリエンスの強襲に遭い2着敗戦。強い競馬をしたけれど、勝ったオリエンスが凄かったです。この日のダービーは、道中5番手を進み、最後の直線ではオリエンスの進路をふさぎ、残り200mで先頭に立つとそのまま先頭でゴールし、皐月賞のリベンジを果たしました。一部報道によると、落鉄していたことが判明しましたが、それでも勝ち切ったなんて驚きです。これでソールオリエンスとの直接対決は1勝1敗。秋に迎える3度目の対決の舞台は、菊花賞か、天皇賞か、年末の有馬記念まで持ち越しなのか?
90回目のメモリアルレースは、タスティエーラが優勝したというよりも、スタートで落馬があったり、ゴール後に馬が心不全で亡くなったりと後味の悪さが残りました。おまけに勝ちタイムの2分25秒2は、リバティアイランドが勝った先週のオークス(2分23秒1)より2秒1も遅く、9着だったドゥアイズと同タイムです。良馬場だったとはいえ、非常にしょっぱいレース内容でした。もしリバティアイランドが出ていたら、楽勝していたんじゃないかと思いました。