ボクシングの「世界4団体統一スーパーバンタム級タイトルマッチ」井上尚弥VS金芸俊(キム・イェジュン=韓国)が24日、東京・有明アリーナで行われました。今回のタイトルマッチは当初、2024年12月24日にサム・グッドマン選手と対戦する予定でしたが、グッドマン選手の左目上負傷により1カ月延期。さらに試合2週間前にグッドマン選手がまたもスパーリング中に左目上を負傷したため中止決定。代役挑戦者にWBO11位のキム・イェジュン選手が選ばれました。1か月遅れの防衛戦となる今回も、豪快なKO劇で王座防衛なるか?
第1ラウンド、開始20秒過ぎにキムイェジュンが先にパンチを出し、45秒過ぎには井上も左ジャブから右ストレートを伸ばすも挑戦者の顔面には届かず。井上は圧力をかけて相手をコーナーに追い詰め、左ジャブを放つ。1分40秒ごろに左ジャブが顔面を捉えると、残り1分を切って右ボディブロー。その後も井上がプレッシャーをかける展開が続き、第1ラウンド終了。ほぼ井上が優位に進めたか?
第2ラウンド、開始早々から両者がジャブを出し合うと、36秒過ぎに井上の右ストレートが相手のボディにヒット。40秒には右ストレートが出るが、イェジュンブロック。55秒過ぎに右のパンチが顔面を捉える。1分30秒くらいにキムイェジュンも攻撃を仕掛けるが、井上がブロック。1分50秒、井上のワンツーが決まると会場がどよめく。キムイェジュンも右のジャブを細かく当てると、2分34秒に右ストレートをヒット。右を貰った井上は後ろに下がる。それでも井上は終了直後に右のカウンターを放ち、最後は連打を見せた。
第3ラウンド、先にキムイェジュンが上下にパンチを当てるが、井上も40秒過ぎに右ストレートをボディに当てる。50秒過ぎにはキムイェジュンが右→左のワンツーを決める。さらに再びワンツーを井上の顔面に当てた。だが、中盤過ぎに井上の左ジャブが次々と当たる。井上は残り50秒を切って右ストレート、残り30秒で左ボディと右ボディを続けて決める。序盤はキムイェジュン、中盤以降は井上ペースだった。
第4ラウンド、井上が20秒過ぎてから連打を放つと、じわじわとコーナーに詰め、右ジャブで相手を寄せ付けない。1分15秒、井上が右フックから左フック、1分35秒には重い左ボディを当てる。残り1分、井上が左フックを顔面に当てた後、キムイェジュンがすかさず「来い」と挑発。挑戦者の挑発に井上の怒りが爆発!ボディ連打で相手にロープを背負わすと、2分15秒に左フック→左ショート→右ストレートでイェジュンがダウン。カウントが進む中、挑戦者セコンドからタオルが投げ込まれ試合終了。4ラウンド2分25秒、井上尚弥のTKO勝ちとなりました。
日本国内での男子世界タイトルマッチとしては19年ぶりとなる日韓戦は、井上尚弥選手が「日本人無敗」だったキムイェジュン選手に完勝。WBOとWBCは4度目、IBFとWBAは3度目の防衛に成功しました。さらには2020年のジェイソン・モロニー戦から10試合連続のKO勝利です。
前回のTJドヘニー戦では、相手が試合中に腰を痛めて棄権するという何ともスッキリしない幕切れでしたが、今回は久しぶりに井上選手の派手なKO劇が見られました。対戦相手が変更になったため、対策が取れてなかったのか貰うシーンが何度も見られたけど、最後は右ストレートが火を噴きました。キムイェジュン選手もいきなりの世界挑戦でしたが、モンスターを相手に奮闘したと思います。ただ手招き挑発はいらんかったかな。
2025年最初の試合をKO勝ちで飾った井上選手、今年は春はラスベガス、秋にはサウジアラビアで試合を行う予定です。次の対戦相手には、WBC1位のアラン・ピカソ選手か、再三井上選手を挑発しているムロジョン・アフマダリエフ選手のどちらかとなりそう。両者ともに難敵だと思いますが、井上選手ならKOで勝ってくれるはずだと思います。