1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から21年が経ったこの日、中山競馬場では3歳馬の重賞競走「京成杯」、京都競馬場では今年最初のGⅡ競走「日経新春杯」が行われました。
中山メイン・第56回京成杯(GⅢ・芝2000m 15頭立て)は、2連勝中の①メートルダール、中山2000mの未勝利戦で4馬身差の圧勝劇を見せた②ウムブルフ、東京スポーツ杯2歳ステークス3着⑧マイネルラフレシア、札幌2歳ステークス2着④プロフェット、⑫ユウチェンジ・⑩アドマイヤモラールの「朝日杯FS組」、⑭ブレイブスマッシュ・⑦プランスシャルマンの「ホープフルステークス組」などが参戦。
揃ったスタートで始まったこのレース、アドマイヤモラールと⑨オンザロックスがハナを主張し合い、⑪アポロナイスジャブが3番手。プロフェット4番手、ウムブルフは中団につけ、マイネルラフレシアは10番手、メートルダールは最後方で正面スタンド前を通過した。
1,2コーナーから向正面を出たところで、オンザロックスが先頭を奪い、アドマイヤモラール2番手、アポロナイスジャブ3番手。その後ろには内側③ケルフロイデ、外側プロフェット。キャロットファームの勝負服2頭が4,5番手で並ぶ。6番手ユウチェンジ、7番手にウムブルフが控える。8,9番手にはプランスシャルマンとブレイブスマッシュ並走。10番手⑤カミノライデン、11番手マイネルラフレシア、12番手⑥ルネイション、メートルダールが13番手に浮上し、その後は⑬ダイチラディウス、⑮ナムラシングンと続く。
3コーナーを回り、前半1000mを61秒台で通過したオンザロックスがスローペースで逃げ、後続を引き離しにかかる。モラール2番手、プロフェット5番手、ユウチェンジ6番手は変わらず。ウムブルフ、ラフレシア、メートルはどこで勝負に出るか?4コーナーを回ったところで、先頭と2番手意向の差が縮まったが、オンザロックスが先頭で直線コースに入る。オンザロックスが逃げねばろうとするが、外からアドマイヤモラール、ケルフロイデ、プロフェットが追い上げる。ゴール残り100mでプロフェットが先頭争いから抜け出し、ケルフロイデが2番手に上がる。さらに大外からメートルダールが追い込んできたが、最後はプロフェットが先頭でゴールイン!プロフェット、ケルフロイデ、メートルダールと上位3頭は全てキャロットファームの勝負服だ!
春の皐月賞と同じ舞台で行われる京成杯は、前半はスローペースで進み、最後の直線は瞬発力勝負となり、単勝5番人気のプロフェットが制しました。2着には7番人気・ケルフロイデ、後方から猛追したメートルダールが3着に入り、「キャロット軍団」のワンツースリー決着となりました。1番人気だったウムブルフは5着、2番人気マイネルラフレシアは10着という結果でした。ラフレシアは序盤折り合いを欠いていたところがありました。
勝ったプロフェットは、父・ハービンジャー、母・ジュモー、母の父がタニノギムレットという血統。昨年8月の新馬戦以来となる通算2勝目を挙げ、重賞初制覇となりました。鞍上のシェーン・フォーリー騎手は、これがJRA重賞初勝利。今月から日本で騎乗しているフォーリー騎手は、アイルランドの若手ホープだそうです。管理する池江泰寿調教師と、ハービンジャー産駒は2年連続の同レース制覇です。
プロフェットはデビューから3戦までは1800mを走り、2000mのレースを使うのはこれが初めてだったけど、距離延長で結果を出しましたね。右の小回りでは3戦2勝・2着1回と相性良さそうです。
京都メイン・第63回日経新春杯(GⅡ・芝2400m 12頭立て)は、現在3連勝よ勢いに乗る⑦シュヴァルグラン(オーナーは『大魔神』佐々木主浩氏)、昨年の青葉賞馬①レーヴミストラル、武豊騎手とコンビを組む⑩サトノノブレス(2年前の覇者)、2400mで2勝している⑥プロモントーリオ、中山金杯で暴走して除外⑨ベルーフ(京成杯制覇からちょうど1年…)、有馬記念に出た⑤ダービーフィズ(昨年の夏の中距離王)などが出走。
スタートは大きな出遅れは無し。スタンド前での先行争いで、⑧ダコールが先手を取り、サトノノブレスも先行策。ベルーフは6番手、シュヴァルグラン8番手、プロモントーリオ9番手、レーヴミストラルはしんがりで1コーナーを回った。
向正面に入り、ダコール先頭、サトノノブレスが2番手につけ、3番手に④シャドウダンサー、4番手ダービーフィズ、外側5番手に⑪メイショウウズシオ。中団の6番手グループは、内に③アドマイヤフライト、真ん中ベルーフ、8番手のポジションにシュヴァルグランが控えている。その後ろの9番手集団は、②コスモロビン・⑫メイショウカンパク・プロモントーリオの3頭が横一列で並ぶ。依然として最後方のレーヴミストラルは、前の馬たちをしっかり見ている。
ゆったりとした流れで外回り3コーナーに差し掛かるところで、5番手にいたウズシオが痺れを切らしたかのようにスピードを上げ、ダコールをかわして先頭を奪い、下り坂を利用して差をグングン拡げる。2番手ダコール、3番手のノブレス、シュヴァル、ベルーフらはまだ落ち着きがある。プロモンが中団まで押し上げ、最後方のミストラルも3,4コーナー手前で追い出し開始。
メイショウウズシオ以外の11頭がひと塊になる中、先頭をひた走るウズシオは早くも最後の直線コースへ。ダコール、サトノノブレス、シャドウダンサー、シュヴァルグランが必死に猛追する中、外からレーヴミストラルが鋭い末脚で飛んで来た。ラスト100mでウズシオらを一瞬でかわしてから突き放してゴールイン!最後方から差し切ったレーヴミストラル、直線で突き抜けました!
関西最初のGⅡ・日経新春杯は、2番人気のレーヴミストラルが、2着に2馬身差をつけての快勝。スタートから最後方を追走していましたが、最後の直線で一気にギアを上げ、前の馬たちをまとめてごぼう抜き。圧勝ともいえる派手な勝ちっぷりですね。1番人気を集めたシュヴァルグランは2着。2度目の優勝を狙ったサトノノブレスが3着に入りました。ベルーフは5着、3番人気・プロモントーリオは6着でした。
レーヴミストラルは昨年の青葉賞以来の勝利で。重賞もこれで2勝目。川田将雅騎手は早くも今年重賞2勝目です。今回で通算4勝目ですが、うち3勝が2400m戦で挙げております。ミストラルを管理する松田博資調教師が来月で定年を迎えるため、マツパク厩舎所属としては日経新春杯が最後のレースとなりそう。恩師の引退前に重賞勝ちをプレゼントできてよかったですね。マツパク厩舎解散後の転厩先は現時点で未定、早く移籍先が決まって欲しいですし、新天地でも活躍できることを期待したい。