2010プロ野球日本シリーズ「千葉ロッテマリーンズVS中日ドラゴンズ」は、4試合を終えて2勝2敗の五分。千葉マリンスタジアムでの3連戦最後の試合となる4日の第5戦は、ロッテがペン、中日は中田賢一が先発。勝った方が日本一に王手となる一戦は、ロッテ打線が序盤から攻めまくりました。
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ロッテ 中日
1(遊)西岡剛 (遊)荒木雅博
2(左)清田育宏 (中)大島洋平
3(二)井口資仁 (三)森野将彦
4(右)サブロー (左)和田一浩
5(三)今江敏晃 (一)ブランコ
6(指)福浦和也 (指)野本圭
7(一)キム・テギュン (捕)谷繁元信
8(捕)里崎智也 (右)英智
9(中)岡田幸文 (二)堂上直倫
(投)ペン (投)中田賢一
中日は先発メンバーを入れ替え、16打数無安打の井端がスタメンから外れ、堂上直倫が9番セカンドで先発出場。第4戦で決勝タイムリーを放った大島が2番に入り、谷繁が2試合ぶりにスタメン復帰。一方のロッテは、福浦がDHに入りました。
どちらも負けられない第5戦は、初回から試合が動きます。まず中日が大島の四球、森野のレフト線を破る2塁打で1死2,3塁と先制のチャンスに、和田がレフトへの犠牲フライをはなち、3塁走者・大島がホームインして1点を先制します。
その裏のロッテは、西岡が2塁ゴロで打ち取られたかなと思われましたが、中日二塁手・堂上直が弾いてしまいセーフ(記録セカンドのエラー)。1死後、井口のヒット、サブローの遊撃内野安打で満塁と一打逆転の場面で、今江が中田の初球ストレートを合わせ、レフト線へのタイムリー2塁打。西岡と井口が生還して逆転に成功。なおも中日先発・中田の立ち上がりを攻めるロッテは、福浦のライト前タイムリー、テギュンがスライダーをセンター前に弾き返すタイムリーヒットが飛び出し、この回5連打で4得点を奪いました。
3点リードのロッテは、3回に今江が四球を選び、テギュンがヒットを放って追加点のチャンスも後続が倒れて追加点奪えず。迎えた4回、西岡がレフト前ヒットを放つと、清田の場面で二盗を決め、犠打で3塁まで進みます。2死3塁で、サブローが中田の3球目のフォークを完璧に捕らえ、レフトスタンド中段に飛び込む2ラン本塁打!4番・サブローの一発で待望の追加点が入り、6-1と突き放します。
5回もロッテ打線の勢いが止まりません。1死からテギュン・里崎・岡田の3連打で満塁のチャンスを作り、西岡のセンター犠牲フライで7点目。なおも2死2,3塁で清田がセンター前への2点タイムリーでさらに2点追加。これで9-1と8点差に拡げました。
初回に1点を取った中日は、2回から5回までロッテ先発・ペンの前に散発の2安打抑えられます。何とか取り返したい場面で迎えた6回、大島と森野が連打で無死1,2塁とし、和田が倒れて1死後、ブランコが甘く入ったカーブをセンターへ弾き返し、打球は鋭く伸びてフェンスに直撃。ブランコのタイムリー2塁打で1点を返します。
ロッテは7回、またもテギュンにヒットが生まれ、1死1,3塁と更なる追加点のチャンスに、清田の場面で中日2番手・清水が暴投を犯してしまい、3塁走者・塀内久雄(テギュンの代走)がホームインして10点目。
8回に中日は2アウトから和田がヒットを放ち、続くブランコがロッテ4番手・吉見祐治のチェンジアップを振り抜き、左中間への打球は大きく伸びてスタンドイン。ブランコの今シリーズ2本目となる2ラン本塁打で2点返し、10-4と6点差に詰め寄ります。9回には堂上剛裕&直倫が出塁し、1死1,3塁とするも、荒木と大島がロッテの守護神・小林宏の前に抑えられてゲームセット。第5戦は10-4でロッテが勝利し、5年ぶりの日本一に王手をかけました。
2010年日本シリーズ 2010/11/04(木)
ロッテ-中 日 第5戦 (ロッテ3勝2敗、千葉、18:30、27209人)
D 100 001 020 4
M 400 230 10X 10
【投手】
(中)中田賢、清水、久本-谷繁、小田
(ロ)ペン、古谷、薮田、吉見、小林宏-里崎
【責任投手】
(勝)ペン1試合1勝
(敗)中田賢1試合1敗
【本塁打】
(中)ブランコ2号2ラン(8回、吉見)
(ロ)サブロー1号2ラン(4回、中田賢)
先発投手の立ち上がりが悪く、初回に両チームとも得点が入った時は「今日は乱打線になりそうな予感」だと思っていたんですが、中田投手が逆転された後もボコボコにされ、ペン投手は打線の援護を受けた後は2回から5回まで0点に抑えて立ち直りました。後半に入って中日が追い上げを見せたんですが、終わってみれば10-4でロッテが2ケタ得点の快勝。これで対戦成績は3勝2敗でロッテが勝ち越し、ロッテの5年ぶりの日本一に王手がかかりました。
この日はロッテ打線がよく繋がり、先発全員安打の15安打をマーク。初回に井口のヒットを皮切りに5連打、4回は4番・サブローに待望の一発が生まれ、5回はテギュン・里崎・岡田の3連打で満塁とし、1,2番コンビが下位の頑張りに応えました。この日はテギュンが4打数4安打の固め打ちの活躍を見せ、最初の打席では4点目となるセンター前タイムリーを放ちました。この3連戦で6安打、打率も.368まで大幅アップ!新人の清田選手はまたしても打点を稼ぎ、この5試合で6打点。今江選手の5打点を上回っており、日本一になればMVPの可能性も出てきました。
中日は先発の中田投手が大誤算。5回まで9失点を喫してKOされてしまいました。4回にサブローに一発を浴びた時点で降板した方が良かった気がします。1か月ぶりの登板で間隔が空きすぎたというのもあるけど、9失点は酷いですねえ。このシリーズでは中日投手陣が不調気味、吉見が3回でKOされたり、山井と山本昌も先発としての役目を果たせず。残り2試合は吉見とチェンの2トップが先発予定。特に吉見は初戦のリベンジに燃えてると思います。
打撃陣では、森野と和田が好調をキープ、不振が続いていたブランコがこの試合2安打3打点と奮闘。ブランコの打撃が良くなれば、チームも活気づくはずです。井端の代わりに出場した堂上直倫は、ほろ苦い結果に終わりました。西岡の2塁ゴロを弾いてしまうと、バッテングでは2回も三振に倒れました。最後の打席でヒットを放ったのは唯一の見せ場だったかも?
千葉での3連戦が終わり、残すは週末のナゴヤドームでの2試合のみ。日本シリーズも佳境に差し掛かりました。王手をかけたロッテは、第6戦でエース・成瀬善久が登板予定?崖っぷちに立たされた中日は、ホームでの強さを存分に発揮し、第6戦で逆王手→最終決戦に持ち込むことができるのでしょうか?