ボクシング・WBC世界フライ級タイトルマッチ「内藤大助VSポンサクレック・ウォンジョンカム」が8日、東京・両国国技館で行われました。内藤大助は昨年7月、当時王者だったポンサクレックを破り新チャンピオンに輝き、10月の初防衛戦は亀田大毅を圧勝し「国民の期待に応える」ことができました。今回の2度目の防衛戦は、前王者・ポンサクレックと4度目の対戦。これまで2勝1敗でポンサクが勝ち越し。運命の第4戦の行方は、最後まで激しい試合となりました。
序盤は両者互角の展開だったものの、ポンサクがカウンターを的確に当てていきます。内藤は積極的に手数を出しますが、なかなか当たりません。4ラウンド終了時点での採点はポンサク有利が1名、ドロー2名でした。
5ラウンドからようやくペースを取り戻した内藤、ボディ攻撃&ショートパンチで流れを掴む。7ラウンドに内藤の右フックがポンサクの顔を捉えます。8ラウンド終了時点のジャッジで、今度は4ポイント差で内藤リードのジャッジが1名出ました。
9ラウンド、両者の激しい打ち合いから、ポンサクが内藤を投げつけてしまう。会場からは大ブーイングが出ました。投げられたことで火がついたのか、内藤はポンサクにラッシュを仕掛けていきます。終了間際にはポンサクが反撃しますが、決定的な場面を作れず。最後は内藤の右ストレートが出て、このラウンドは内藤有利で終了。
10ラウンドには内藤の右フックがポンサクの顔にクリーンヒット。11ラウンドは一転ポンサク有利、12ラウンドは両者打ち合いとなりますが、最後までダウンを奪えぬまま試合終了。勝負は判定へ。
判定の結果、まずキム・ジェーボーン氏(韓国)は115-114でポンサク。2人目のアレハンドロ・ローチン氏(メキシコ)は115-113で内藤。これで1-1。そして3人目のヒューバート・ミン氏(アメリカ)の採点は、114-114の同点。結果1-1の三者三様で引き分け。内藤が2度目の防衛に成功しました。
最後まで痺れる試合でしたなあ。前回の防衛戦は亀田の反則ラッシュで荒れましたが、今回の試合は「これがボクシングなんだ」と両国国技館の観客とお茶の間を最後まで熱くさせました。ポンサクはベルト奪還に燃えていたんですが、9ラウンドに焦ってしまったのか内藤を投げ飛ばしてしまいました。強さと上手さを改めて実感したんですが、投げつけたのは残念だったと思います。でも、亀田の次男よりは酷くは無かったけどね。
内藤選手はポンサクのカウンターと粘りに苦しめられました。序盤は劣勢でしたが、後半は徐々にペースを掴んでいき、投げられた後でも冷静だったことで防衛に成功しました。試合後のポンサクのコメントで「これからどんどん防衛を重ねてほしい」とエールを受けた内藤選手、3度目の防衛戦は亀田興毅との日本人対決が予想されますが、実力のある日本人ボクサーは他にもいます。WBA王者・坂田健史や東洋太平洋王者・長縄正春も内藤との対戦を希望。坂田の場合は29日の世界戦で山口真吾との対戦が待ち構えています。個人的には内藤VS坂田の統一戦が見てみたいです。
これで「内藤VSポンサク」は、ポンサクの2勝1敗1分け。果たして第5戦はやるのか?内藤は33歳で今が脂が乗り切っている、ポンサクは30歳で奪還のチャンスはまだ充分にあると思います。5度目の対戦は当然最後の戦い、「完全決着戦」となることでしょう。先週はWBAミニマム級王者の新井田豊がKO防衛、今週は内藤大助の防衛と日本ボクシング界の明るい出来事が2つ続いています。今後も内藤選手がどう「国民の期待に応えられるか」注目したいところです。
なんで内藤大助苦労物語を長く長く~さらに長く見なくてはいけないのか
腹が立ちでしたね。