2014年の2歳女王決定戦・第66回阪神ジュベナイルフィリーズ(GI・芝1600m 18頭立て)が14日、阪神競馬場で行われました。多くの名牝を輩出しているこのレース、今年は出走馬が全て違う種牡馬の産駒という異例のレース。ファンタジーステークスの勝ち馬⑩クールホタルビ、アルテミスSを勝った④ココロノアイ、小倉2歳チャンピオン⑧オーミアリスといった重賞ウィナーに加え、新馬戦で3馬身差の圧勝劇を見せた①ロカ、アルテミスS2着⑪レッツゴードンキ、デビュー2連勝中の⑬コートシャルマン、⑯ショウナンアデラ、⑮レオパルディナ、⑰ダノングラシアスなどが参戦しました。
単勝の上位人気は、ロカが2.9倍で1番人気。2番人気レッツゴードンキ(5.6倍)、コートシャルマンが3番人気(6.1倍)。4番人気以降はココロノアイ(6.3倍)、ショウナンアデラ(9.8倍)、ダノングラシアス、レオパルディナ、オーミアリスと続きました。
スタートでロカが大きく出遅れ、ショウナンアデラもあまりいいスタートではなかった。②エフェクトが好スタートを切るが、③アルマオンディーナがすぐにかわす。⑤スマートプラネット、⑦アカリアイドル、⑱ムーンエクスプレスも先行策を取り、最終的にはスマプラとアカリの2頭が並び、3番手にムンエク、オンディーナが4番手。5番手グループにはエフェクト・クールホタルビ・コートシャルマンの3頭がひと塊。その後ろの8番手集団にはココロノアイとレッツゴードンキの人気上位馬、⑫カボスチャンもいる。外の12番手にレオパルディナ、13番手ダノングラシアス、14,15番手の位置にショウナンアデラと⑨アローシルバー。15番手⑭ダイワプロパー、16番手⑥トーセンラーク、ロカは17番手、しんがりにオーミアリスという展開。
外回り3,4コーナー中間点を過ぎ、スマートプラネットが先頭だが、真ん中にアカリアイドル、大外に持ち出したエフェクトが3番手に浮上。シャルマンとドンキは馬群の真ん中、後方待機のロカは大外から一気にごぼう抜きなるか?4コーナーから最後の直線に入り、スマプラが僅かに先頭だが、ココロノアイ、アカリ、エフェクト、さらにはムーンエクスプレスとレッツゴードンキ、アルマオンディーナが上がってきた。残り200mでムーンエクスプレス・レッツゴードンキ・アルマオンディーナ、ココロノアイの4頭の競り合いの中から、ドンキが抜け出す。しかし、大外からショウナンアデラが凄い脚で追い込み、ラスト100mを切ったところで前の4頭を一気に抜いて先頭ゴールイン!大外から豪快に差し切ったショウナンアデラ、重賞初勝利をGⅠで飾りました!
阪神JF 全着順&払戻金
1着⑯ショウナンアデラ 1分34秒4
2着⑪レッツゴードンキ 1/2馬身
3着④ココロノアイ 1/2馬身
4着⑱ムーンエクスプレス 3/4馬身
5着③アルマオンディーナ クビ
6着⑤スマートプラネット 3馬身
7着⑮レオパルディナ 1/2馬身
8着①ロカ クビ
9着⑧オーミアリス 1/2馬身
10着⑬コートシャルマン 3/4馬身
11着⑭ダイワプロパー ハナ
12着⑫カボスチャン 1馬身3/4
13着⑰ダノングラシアス クビ
14着⑩クールホタルビ 2馬身
15着⑨アローシルバー 1馬身3/4
16着②エフェクト 1馬身1/2
17着⑥トーセンラーク 1馬身1/4
18着⑦アカリアイドル 2馬身
単勝 ⑯ 980円
複勝 ⑯ 260円 ⑪ 170円 ④ 230円
枠連 [6]-[8] 1,130円
馬連 ⑪-⑯ 2,200円
馬単 ⑯-⑪ 5,110円
ワイド ⑪-⑯ 780円 ④-⑯ 990円 ④-⑪ 570円
3連複 ④-⑪-⑯ 3,530円
3連単 ⑯-⑪-④ 22,780円
今年の2歳女王に輝いたのは、単勝5番人気のショウナンアデラでした。スタートではロカの次に悪く、道中は中団より後ろの位置を追走。直線ラスト200mでは、まだ6番手あたりにいて、逆転は不可能かと思われました。しかし、残り100mを切った辺りで大外から一気に末脚を伸ばし、レッツゴードンキらをまとめてかわし1着。大外強襲で見事にGⅠ初制覇を果たしました。まるで大鉈のような切れ味でした。
2着だったレッツゴードンキも強い競馬をしたんだけど、運がなかったとしか言えません。これでドンキはアルテミスステークスに続いての2着。重賞タイトルが遠い…。1番人気のロカは、スタートの出遅れが大きく響いて8着。出遅れた瞬間、スタンドから悲鳴が沸き起こりました。3番人気のコートシャルマンは10着でした。
勝ったショウナンアデラは、美浦の二ノ宮敬宇厩舎に所属し、父・ディープインパクト、母・オールウェイズウィリングという血統。ディープインパクト産駒は2011年のジョワドヴィーヴルに次いでこのレース2勝目。鞍上の蛯名正義騎手は同レース5年ぶり2勝目。前回勝ったときはアパパネに騎乗し、後に牝馬3冠を達成。GIも今年3勝目をマークしております。管理する二ノ宮調教師は、阪神JF初勝利です。
アデラは新馬戦で2着に敗れますが、10月の未勝利戦と3戦目のからまつ賞を連勝。今回は重賞初挑戦(しかもGⅠ)、関西輸送、右回りと初めてづくしでしたが、父を彷彿とさせるような豪脚で3連勝。通算成績4戦3勝、連対率も100%。2歳女王になったことで、来年の牝馬クラシックの主役候補に浮上。阪神のマイル戦で勝利し、東京コースで2戦2勝と相性良いから、春の桜花賞とオークスで2冠も狙えるかも。
来週も阪神競馬場で2歳GⅠがあり、今度は牡馬2歳王者を決める「第66回朝日杯フューチュリティステークス」が行われます。昨年までは中山競馬場で開催されましたが、今年から阪神に移動しました。札幌2歳ステークスを勝ったブライトエンブレム、京王杯2歳Sの覇者・セカンドテーブル、デイリー杯2歳ステークス覇者・タガノエスプレッソ、函館2歳王者・アクティブミノル、他にも「オルフェーヴルの弟」アッシュゴールド、3連勝と勢いに乗るコスモナインボール、クラリティスカイ、ナヴィオン、ダノンプラチナなどが出走を予定しています。
その前日には中山競馬場で第137回中山大障害(J・GI)がありますし、17日には川崎競馬場で全日本2歳優駿(ダート1600m・GⅠ)と注目レースが目白押し。寒い季節だけど、競馬はまだまだ熱い!