どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

小津映画は見る度に新たな発見が(^_^)

2016年01月19日 20時20分00秒 | 映画
先日、小津安二郎監督作品「東京物語」と「東京暮色」の二本立てを観て、感想というのとは違うのですが、気になった点をいくつか。

季節的に夏の設定なので、団扇をあおぐシーンが多いのですが、その図柄が...。

原節子さんがアパートで義理の両親にあおいであげてるシーン。

杉村春子さんが美容院であおぐシーン。

中村伸郎さんの同シーン。

笠さん旧知の十朱久雄さんが自宅であおぐシーン。

このどれもが高峰秀子さんの写真なのか?(^_^;

杉村さんや十朱さんが持ってるのは以前から知ってましたが、今回さらに原さんと中村さんにも持たせているのに気づいた次第。

その団扇と共にハッと感じたのが、このシーン。

笠智衆さんと東山千栄子さんの老夫婦が熱海温泉旅行中、夜中のガヤガヤに悩ませられるシーンですけど、ここでバンドが歌っているのが、灰田勝彦の曲「燦めく星座」。

これは高峰さんの、今で言えばアイドル時代の主演作「秀子の応援団長」の主題歌なんですよね。

ホント物凄いラブコールぶりですよねぇ...当時の映画ファンはもう小津さんの気持ちが痛いほど理解できたんでしょうなぁ(*^o^*)

ちなみに小津さんは高峰さんを「デコ」と呼び、子役時代から知る彼女をことのほか可愛がったそうです。

小津作品への出演は昭和25年の「宗方姉妹」が最後となり、ラブコールを送りながらも出演は叶いませんでしたが、これらのシーンを見ると切なくなりますねぇ...。


そして気になったもう一つの点が「謎の時報」

上述の杉村さんが、兄の山村聰さんと美容院で会話するシーンのラストで突然時報が「ポッポッポッピーン」と!


「東京暮色」でも、杉村さんと兄の笠智衆さんとうなぎ屋で会食するシーンのラストでこれまた唐突に「ポッポッポッピーン」と鳴る!


え?なんで?

「東京物語」は多少理解できます。なんとなく歌舞伎の音声が小さく流れていて、これがラジオ放送ではないかと想像できるから(ラジオを聴いているという説明的な映像は一切ありません)。

もっとワケがわからないのは「東京暮色」。うなぎ屋の店内だし、BGM的な音声は一切流れていません。

それなのにいきなり時報が鳴る!

シナリオ見ても、ト書きにそれっぽいことは書いてありません...。

なんじゃこりゃ(^_^;

何を意図して時報を入れたんだろう...他の作品にもあるのか気になってます><

...と言った変な仕掛けが満載なのも小津映画の醍醐味なのです\(^o^)/