「観た映画も人間性に影響するかもしれないのであなた人生のベスト10を教えて」って何か日本語として変なんですが...。
まぁ要するに「初見で強い衝撃を受け、心底面白く、何度でも観たい作品」なんだろうと解釈してリストアップしましたが、自分の事ながらその10本に昨年公開されたばかりの作品が2本も入っているということに驚いてしまいました(^_^;
「晩春」「麦秋」「東京物語」は小津安二郎作品を代表する、「紀子三部作」と称される名作です。小津作品の最初の出会いは「お早よう」なんですが、その要素は「麦秋」にもあり(遡れば『生まれてはみたけれど』ですが)、ラインナップの前後を含めて、集大成の感があり、外せない作品です。
「七人の侍」「椿三十郎」「天国と地獄」は黒澤明作品からのチョイスですが、作劇の面白さと痛快さで、何度観ても飽きることの無い凄みのある作品です(^_^)
「2001年宇宙の旅」はスタンリー・キューブリックの超有名作ですね。哲学的で示唆に富み、解釈の楽しさを気づかせてくれた作品です。
「ルパン三世カリオストロの城」は、宮崎駿作品群の中でダントツだと思いますし、その後のジブリにつながる原動力になっていると思います。
「シン・ゴジラ」は、庵野秀明作品として一番娯楽性に富んでいて、「エヴァの庵野」から一皮むけた新しい可能性さえ見せてくれた作品になりました。手垢だらけのゴジラシリーズにここまで新しい光をあてることができたのは本当に素晴らしいと思います。
「この世界の片隅に」は片渕須直作品の現段階における集大成だと思いますし、ここまで原作を裏切らず、それでいて単に忠実なだけでもない、今まで観た事の無いアレンジの仕方を提示してくれた完成度の高い作品となり、ただただ打ちのめされています...(´д`)
10本に絞るというのは悩みも多く、まだあれもこれもと出てくるのですが、基本的に年間何十本も観るとかいうタイプではなく、好きになると深掘りしたくなる方なので、この50数年の人生でタイトル数はそんなに多くは観てません。
好みの傾向としては温故知新であり、滋味あふれた作品を好みます。
若い頃は派手なハリウッド作品も楽しかったけれど、一度観れば充分なものが多く、心に残っているものは少ない。
やはり何度でも観たい映画とは、一見淡々しているが、行間を読み取らせてくれる余白があって、年をとる度に新しい発見や想いが変わっていく...そんなものじゃないのかなと思っています。