小津安二郎監督作品を初めて観たのはいつだったんだろう...確か中学生の頃、テレビで観たんだよなぁ...白黒じゃなくカラー作品だったと思う...という朧気で曖昧な記憶でモヤモヤしていたんですが、調べてみるもんですね!
こちらのブログに該当する記事がありました(*^o^*)
それによると、1976年4月から放映開始された「日本映画名作劇場」という東京12チャンネル(限・テレビ東京)のようです。
そうそう!そんな感じ!邦画のみを扱い、土曜日の夜にやってた!中学2年か!!
第32回に「お
早よう」を放映、ってことは同年秋ころですかね。
いや~スッキリしました!ありがとうございます\(^o^)/
そうだと判ってから、その当時観た印象(というか、その当時は違和感だらけ(^_^;)が色々蘇ってきましたよ!
例えば、対峙する二人の人物が会話する独特のカットバック編集ね!
父「大体お前たち、なんだ!いつまでも一つのことグツグツ、女の腐ったみたいに!子供のくせに余計なこと言いすぎる!少し黙ってみろ!」
母「ホラ、ごらん、おこられたじゃないの」
実「余計なこっちゃねえやい!ほしいからほしいって言ってんだイ!」
父「それが余計だっていうんだ!」
実「だったら、大人だって余計なこといってるじゃないか。コンチハ、オハヨウ、コンバンハ、イイオテンキデスネ、アアソーデスネ...」
父「馬鹿ッ!」
実「アラ、ドチラヘ、チョットソコマデ、アアソーデスカ、そんなこと、どこ行くかわかるかイ。アアナルホド、ナルホド、何がナルホドだイ!」
父「うるさいッ!黙ってろッ!」
実「......」(頭を振りサッと乱れた髪を整える)
父「男の子はペチャクチャ余計なこと喋るんじゃない!ちっと黙っててみろ!」
実「アア、黙ってるよ、二日でも三日でも...」
母「アア、その方がいいわ。お母さんも助かるわ」
勇「百日でもだよ」
父「アア、アア、黙ってろ黙ってろ、黙っててみろ!」
実「オイ、勇、来い!」
勇、去り際に足元の小箱を蹴飛ばす(^_^)
父「コラッ」
人物を真っ正面から捉え、セリフ単位でパッパパッパと頻繁に切り替えて!Σ(O_O)
そして俳優の演技が、妙に機械的で
変!!
人形劇を人間使って表現してるみたいだなぁって思いましたねぇ(^_^;
子供を叱る笠智衆さんなんて、直立不動でカクカクしたCー3POみたいなアクションで、何度観ても笑ってしまう(^_^;
さらに当時戸惑ったのが配役で...。
お父さん、笠智衆。
お母さん、三宅邦子。
このお二人が、どうみてもお爺ちゃんとお婆ちゃんにしかみえなくて(^_^;
佐田啓二と久我美子くらいが父母で丁度いいんだよなぁって...。
昔の映画ってこんななの?変な感じ~(^o^;って、中2の私には妙で不思議な感覚が引っかかりつつも、監督が誰だろうとか気にもせず...。
やがて高校生となった私は黒澤明監督作品群に出逢ってしまい、そのダイナミズムにすっかりと魅了され、小津の存在はいつしか遠い存在になってしまったのでした...本当の小津の魅力や面白さを理解するには年齢的なものが必要だったという次第(´Д`;)
その後は、時折放送される作品を飛び石的に観るも、熱中してハマるほどではなく、昭和レトロな映画として楽しんでいたという程度でした。
本格的に意識したのは生誕100年の03年にドーンとまとめてDVD化された時で、NHK衛星放送などで特番などを見て、ようやく奥深さを認識したという...。
しかし、小津安二郎って人の作品は黒澤のものとは見方が丸で違い、今持って謎の解明・解釈に取り組む研究・解説書が後を絶たないという底なしな世界。
英誌「Sight & Sound」監督投票による世界映画のベストテン部門で1位に選出され、4Kデジタル修復で美しく蘇った昨今ですが、私が初めて触れた70年代は小津安二郎は封印されたかのような暗黒時代だったようです(^_^;
当時は古臭く、権威主義的に映った作品群も、時代を経て、ファンの努力で、その普遍的な真価が理解され、ようやく時代が小津安二郎に追いついたという感じなんでしょうか(^_^;
中2で出逢ったのもなんだか勝手に運命を感じております(*^o^*)