私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

五匹のねずみと古い銅の茶托

2015年09月27日 | 時空を超えて来たものたち

~ この茶托は物心ついた時には家にあったもの ~

経年の変化で表面は赤、黒、金、茶と様々な色を見せ
ねずみの体も、文字も、角がとれて丸くなっている。

~ 。* 。* 。~

古物の好きな父が古道具屋で買ってきたものと思うが
我が家に来るまでにどれほどの年月を過ごしてきたのだろうか、、

手に持つとずしりと重く、結構な貫禄がある。
そして、上には文字が書かれ、下には五匹のねずみが配されていて、
遊び心のある、なかなかに面白い茶托である。

ところが、このねずみたち、何やら怖ろしいものを見たのか、
恐怖におののき一目散に逃げ出しているように見える。

その恐ろしいものは、上側に書かれた文字なのだろうか、、
ねずみが見て逃げ出すほど怖ろしいこととは、
一体この文字にはどんな意味が込められているのか、、

その謎が解けたらもっと面白くこのねずみたちを
見ることができるかも知れない。

~ 。* 。* 。~

そしてもう一つ考えてみたことは、五匹に見えるねずみは
実は一匹のねずみで、その連続描写なのでは?ということだ。

~ 信貴山絵巻じゃないけれど、右側から始まり左側で終わるとすれば、

一番右側のねずみがその怖いものを発見!二番目のねずみがギョッとする、

そして三番目のねずみは怖いものを目で捉えながら背を向けて逃げ出す。

四番目のねずみはひたすら逃げて、五番目のねずみは「もうこれでいいか?」と

恐る恐る振り返って確認している ~ そんな風に見えなくもない。

~ 。 * 。* 。~

どちらにせよ、この茶托は製作者の思いがはっきりと込められたものなのだろう。
そしてその思いが分かれば、ねずみが五匹か一匹かも、分かるかも知れない。
この作者の思い、何とか知ってみたいと思う。

コメント (4)
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