私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

小さな心の灯火

2016年10月11日 | 思うこと

私は秋の今頃になると、この枝だけが朝陽を浴びて
葉の輝いて見える光景が、何故か好きである。



先日、とあるお茶会に参加した。
建物も素晴らしいがお庭も風情があって素敵だったので、
あちらこちらと写真を撮っていると、
三人連れの女性たちが私の傍に寄って来られて、

「あの、すみませんが、〇〇のお茶席でお手伝いされていた方ですよね?」
とその中のお一人が声をかけて来た。
「はい、お手伝いに行っておりましたが?」

「それで、△△の方ですよね?」
「はい、△△から来ておりますが?」

「ブログをされておられますよね?」
「はい、ブログをしておりますが?」

「ひょっとしたら、◇◇のことを書かれた方ですか?」
「はい、◇◇はあまりに素敵だったので書かせて頂きました」



すると、その方は満面の笑みを浮かべて

「わあ!そうだったんですか!どなたが書かれたのか
ずっと気になっていたんです。あれは私が作ったんですよ!」

「まあ!そうでしたか!あの◇◇は温かい雰囲気で、封筒の中から出て来た時は
ふんわりと明るくて心が温まるようでしたから・・」

「私、あの記事を読ませて頂いてすごく嬉しくて、励みになったんです!」
「そうですか、あなたが作られたんですか、そう言って頂いて私の方が嬉しいです」

「私は✩✩に所属していて、あの◇◇を作った時がその✩✩での
最後の仕事だったんです」

「そうでしたか、、その最後の思い出に、そんなに喜んで頂けて
私も書いた甲斐があったわけですね」

「本当に有難うございました、これですっきりしました」
「いやあ、、嬉しいですねえ、、こちらこそ有難うございました」



私は歳だけ取って、これまでの人生で、失敗は山ほどあっても
これほど喜んでもらえて嬉しいことは無かった。

小さな存在の自分は、小さいことしかできないが、
それでも自分なりに一生懸命生きている。
それは私だけでなく、周囲の大方の人もそうなんだろう。
そして
その中で自分の為したことが、一人の人の心に火を灯し
生きる励みになったとしたら、
人として、これ以上の喜びはないのである。

この朝陽を浴びて輝く一枝の葉のように、
人は人によってのみ輝けるのだから。



コメント (10)
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