那智の大滝
補陀落や 岸打つ波は 三熊野の
那智の御山に 響く滝津瀬
那智の滝は和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の那智川にかかる滝で
落差は133m、一段の滝としては日本一を誇り、栃木県の華厳の滝、茨城県の
袋田の滝と共に、日本三大名瀑に数えられている。
国指定の名勝であるが、平成16年7月、「紀伊山地の霊場と参詣道」として
ユネスコ世界遺産に登録された。隣接域の那智原生林も世界遺産として登録され、
国指定の天然記念物にも指定されている。
飛瀧神社
飛瀧(ひろう)神社のご神体は「那智の滝」そのもので、本殿も拝殿もなく
大滝自体を直接拝観することになっている。
落差133m、落ち口の幅13m、滝壺の深さ10m。
毎秒1トンの水量は、その高さと共に日本一。
「どうどう」と流れ落ちる様は見るだけで心洗われる思いである。
青岸渡寺
天台宗 本尊は如意輪観世音菩薩(秘仏)
開基 裸形上人 創建 仁徳天皇時代(313~399)
このお寺の始まりは「那智の滝」である。
仁徳天皇時代に、天竺僧の裸形上人が仏教を広めるために、熊野の浜に漂着し、
熊野一帯を巡り那智の大滝を見つけた。
この大滝での修行により、八寸の観音菩薩を感得しこの地に草庵を結びお祀り
したのが開山の由来である。
その200年ほど後の推古天皇時代に、大和の生佛上人が椿の霊木で4mの如意輪観音像を
刻み、裸形上人が監督した八寸の観音を胸佛として納め、推古天皇の勅願を仰ぎ初めて
如意輪堂が建立された。
その後、多く高僧や歴代の上皇が修行や御幸で訪れているが、中でも六十五代花山法皇が
那智の大滝で千日もの修行を積まれて、ここから巡礼の旅に出られた。
その旅こそが現在の西国三十三か所の始まりである。
一番札所の青岸渡寺から三十三番札所の華厳寺(岐阜県)までの巡礼の旅は、総延長
1200km、難所も多いと聞く。心して巡ろう。
那智の大滝と三重塔
熊野那智大社
この神社の始まりも那智の大滝である。
ー神武天皇が熊野灘から那智の海岸「にしきうら」に上陸された時に、
那智の山に光が輝くのを見て、この大滝を探り当てられ神としてお祀りし、
そのご守護のもと、八咫烏(ヤタガラス)の導きによって無事大和へ
お入りになったー以上社伝より
始まりは青岸渡寺と同じ「那智の滝」であり、明治初期の神仏分離までは、
隣りの青岸渡寺と一緒に二つあわせて神仏習合の修験道場として栄えた。
熊野夫須美大神を主神とする熊野十二権現と共に、別宮、飛瀧神社のご神体
那智の滝を祀る。
全国に約400社あるといわれる熊野神社の本社であり、神仏霊場巡拝の道
和歌山三番となっている。
美しい熊野那智大社
境内からの眺望(向こうに見えるのは太平洋)
熊野那智大社と青岸渡寺、那智の大滝は周辺の自然と共に世界遺産である。
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