骨董市を覗く楽しみは、なんと言っても、種々雑多な物に出会えることである。
自分が好むと好まざるとに関わらず、いろんな物に出会えるのが面白い。
これは数年前に出会った、安南の染付の水次
のんびりと飛ぶトンボが主役で、おおらかな雰囲気が気に入った。
高さ16センチ、底径13センチの可愛らしい水次である。
取っ手は金属製で、植物の蔓らしいものが掘り出されていて
なかなかお洒落だし
取っ手の付け根もくるんと丸まっていてチャーミング
主役のトンボの、このとぼけた表情が、
いつ見てもふっと笑えて、心が和むし
あしらいに描かれた植物も
三重の渦巻き模様もエキゾチックで面白い。
* * *
こんな物に出会った時には、体中に電撃が走る思いがする。
人にはガラクタに見える物が、自分にとっては特別な物に変わる瞬間である。
※安南ーベトナムの焼物で、古くから日本の茶人に愛された。
染付(そめつけ)ー藍色の模様を焼き付けた焼物 。