昨日、ある冊子をペラペラめくっていて、こんな記事を見つけた。
「思い出すことは脳に良い!」と題して、「生涯健康脳」の著者・瀧 靖之先生が
脳の健康維持のために、思い出すことの大切さを、分かり易く説明しておられた。
その内容は大雑把に、
自分の人生を振り返って、思い出を懐かしむ行為 は脳にとってプラスになり、
主観的幸福度を上昇させ、それによって寿命が延びる、と言うことだった。
~ それは何故か? ~
[ 1 ] ー 思い出すという行為は、脳を使うからである ー
脳は使えば使うほど、脳内に多くの変化を起こす。
その変化というのは、脳の機能を回復させる働きで
「可塑性」と呼ばれ、それは高齢者であっても保たれている。
脳は使うことで、情報伝達機能を高めていく。
[ 2 ] ー 「自分は幸せだ」と思うことが、脳に良い影響を与えるからである ー
昔のことを思い出すことによって、ささやかにでも
「自分は幸せだ」と思うことが脳にとっては重要なこと。
人間は脳科学の観点から言うと、悲しいことよりも楽しいことの方を
よく覚えているもので、脳はそれを美化する方向で記憶することが多い。
最近の脳科学の世界では、自分は幸せだと思う人、つまり主観的幸福度が
高い人ほど長生きする、という数々の研究が報告されている。
~ これらはどういったメカニズムでそうなるのか? ~
脳の配置からいうと、おでこあたりにある前頭葉は認知力を保つ働きをしていて、
その横の側頭葉の内側にある、感情を司る扁桃体と、記憶を司る海馬は
非常に近いところにあって、連絡が密に行われている。
そのため、記憶と感情は密接に関わっている。
従って、自分の思い出を引き出すことが大切で、昔の音楽を聞く、
懐かしい場所を訪ねるなど、こうしたことで脳が活性化されるのである。
「脳を健康に保つこと」と「幸せに生きること」は同じ意味を持つ。
* * *
なるほど!
私がお気に入りの出窓で昔のことを思い出して、
ふつふつと幸せ感が沸いてくるのは、
そういったことだったのか・・・
古い物を見て幸せな気分になるのは、そういうことだったのか・・・
私の幸せの根源は、そういったところにあったのだなあ、と
深く納得出来る記事だった。
※ 瀧靖之先生 ( 東北大学加齢医学研究所教授 )