宇陀松山地区は、奈良県の東の宇陀市、元の大宇陀町にあります。もともとは城下町で、伊勢へ通じる街道の拠点として大いににぎわった様ですが、主要な観光地からは外れているため、現在でも古い町並みが残されています。
この辺はその昔は安騎野と呼ばれていて、柿本人麻呂が、
「東(ひむかし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えてかへり見すれば月傾ぬ」の歌を詠んだ場所とされています。今でこそ交通が不便な場所になってしまいましたが、昔から重要な地だったのでしょう。
拠点となるのは、国道沿いにある「道の駅 宇陀路大宇陀」で、ここに車を停めて町並みの散策に向かいます。
道の駅からは数分歩くと、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている古い町並みです。しかし、道の駅はにぎわっているものの、こちらにはほとんど人影がありません。
大宇陀は、吉野葛が名産品です。こちらは「森野吉野葛本舗」さん。
そして、こちらは「黒川本家」さん。
これは、「薬の館(旧細川家住宅)」の看板です。
これも大宇陀の名物、銘菓「きみごろも」の松月堂さん。
きみごろもは、たまごを使ったお菓子で、ふわふわの食感が特徴の、他では食べたことのない珍しいお菓子です。しいて言えば、中はメレンゲ、外は卵焼きといった感じでしょうか。味は結構甘いですが、軽いので結構いけます。
そして、ここに来た最大の目的、「久保本家」さんです。
ここの銘柄は「初霞」ですが、渦巻きラベルとか生もとのどぶの別ブランド、「睡龍」のほうが有名かもしれません。ここは、あえて初霞 特別純米を購入してみました。
比較的おとなしい感じですが、しっかりとした個性が感じられる、おいしいお酒です。
ちなみに、鹿のマークの奈良交通の前身となるバス会社をはじめたのはここの蔵元とのことです。
ところで、町を歩いていると、こんな店を見つけました。
洋菓子とパンの店で、古い家をそのまま使っているところがなんともおしゃれです。
残念ながら生菓子系を買うことはできませんでしたが、パンや焼き菓子はなかなかのものでした。
さて、散策の後、葛を食べに行きます。国道沿いにある、先ほどの森野吉野葛本舗さんの直営店、「葛の館」です。
葛切りです。
こちらは葛もち。この辺の葛餅はきな粉だけで食べるようです。
そして、次に向かったのは、「大宇陀温泉 あきのの湯」です。
お湯はアルカリ性単純泉で、かなりお肌つるつる系のお湯でした。
(その3に続く)