まーったくフランスの子どもには
やられちゃうね。
「ちいさな哲学者たち」70点★★★☆
2007年、フランスのある幼稚園で始まった
「哲学のクラス」の
2年間を追ったドキュメンタリーです。
授業を進めるのはパスカリーヌ先生。
彼女が
「頭のなかにあるものはなに?」と聞くと
「脳!」「記憶!」と答えがビシバシ返ってくる。
「じゃ哲学ってなに?」と聞くと
「脳を使うこと!」と返ってくる。
いやあすごいぞ4歳児!
そんな子どもたちの「ハッ」とする発言や
「真理をついている」
「哲学者だね」という“おいしい瞬間”を、
たんまり観察できるのが見どころです。
おもしろいこと言わない時間も
すごーく多かっただろうし、
いいとこ取りで映画にしてもらってお得。
一番わかりやすかったのは
パスカリーヌ先生の冒頭のことばで、
つまり
子どもたちが真理に迫りやすいのは
「シンプルだから」。
大人は考えすぎちゃうけどね、というわけです。
あ、なんかサクッと腑に落ちた!
さらに教室内では
「僕とはもう恋人じゃないだろ!僕を絵に描くなよ」だの
「だから女にはうんざりだよ」だの
痴話喧嘩が始まったりもして
これも実に楽しいですよ(笑)
ただ授業自体の性質もあり、
何か明確な答えや結果が出る、というわけじゃない。
ゆえにちょっと長く感じるけど
じっくり観察することで
1年で明らかに彼らの議論の質が向上し、
成長しているのがわかる。
すごいなあと思うと同時に
なんかうれしかったりして。
それにしても
子どもたちがよく発言することに
ほんとに驚かされますねえ。
この子たちが成長すると
「パリ20区、僕たちのクラス」の子たちが
出来上がるというわけで(失笑)。
いや~「恐るべき子どもたち」ですなあ。
★7/9から新宿武蔵野館ほか全国で公開。
「ちいさな哲学者たち」公式サイト