ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

スーパー!

2011-07-30 16:33:15 | さ行

「キック・アス」と激似の設定ですが
こっちのほうがかなり、マジでヤバめ。
てか、痛い。

で、こっちのほうが好きって人
嫌いじゃないな(笑)。


「スーパー!」68点★★★☆


冴えない人生を歩むフランク(レイン・ウィルソン)は
唯一の自慢だった妻(リヴ・タイラー)を
ドラッグ売人(ケヴィン・ベーコン)に盗られてしまう。


フランクはお手製のコスチュームで
正義のヒーローになり、

妻を取り戻し、街の悪を退治することを決意する。

それを知った
アメコミ屋の店員(エレン・ペイジ)が
相棒として参加することになり――?!


冴えなすぎるオヤジが
正義なき世を嘆き、
お手製のコスチュームで正義のヒーローになる……て
動機も展開もまさに「キック・アス」。


しかしこちらはかなり、マジで
アンダーグラウンド派っつうか、キレてます(笑)。


監督のジェームズ・ガンは
「ドーン・オブ・ザ・デッド」の脚本家で、
コメディとホラーが専門でもあり、

なんといっても
「JUNO/ジュノ」のエレン・ペイジが
相棒役になって
とんでもないことになってるし(笑)


オープニングのアニメーションも
最高にセンスいい。


もうちょい暴力描写を抑えてもらえたらなあと思うけど
でも話にシンパシーは感じるんですよ。


顔もまずい、パッとしない、
家族もいなくなった主人公が

神に「不公平すぎる!」と嘆くシーンなんて
クッ、と辛さが身に染みた。

「他のみんなには気づかってくれる人がいて
愛に囲まれているのに」って。

ラストの哀しさもピカイチです。


イカれた仮面を被って、キレた芝居をする。
いまなぜこういう作品を作らなきゃならないのか、を考えれば
答えは明快。

それに共感できる人々が
大勢いるからなんでしょうね。


★7/30からシアターN渋谷、新宿武蔵野館で公開。ほか全国順次公開。

「スーパー!」公式サイト
コメント
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