ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

人生、ここにあり!

2011-07-18 18:17:47 | あ行

イタリアには
精神病院がないって、知ってました?!

「人生、ここにあり!」84点★★★★


1978年、イタリアで
精神病患者を病院や施設に閉じ込めるのでなく、

「社会のなかで治療しよう」という法律ができ
精神病院が、閉鎖されたそうな。

本作はそんな時代に起こった
実話をもとにしたフィクション。

これが、おもしろくてジンとくる!


舞台は1983年のミラノ。

病院が閉鎖されたものの、
行くアテのない精神病患者たちは
便宜上の「組合」に集められ、
無気力な日々を送っていた。

そこに組合長として赴任したネッロは
彼ら個々の能力に気づく。

そして彼らに仕事をさせ、
ちゃんと給料を払い
社会活動をさせることにするが、
これがドタバタの連続で――?!


コミカルで楽しくて、胸がジンジンする良作!

人が生きていくためには
やはり「生きがい」と、そして「働く」という行為が
どんだけ大事か、ということ

そして“障害”なんて
ホント、個々の“差”でしかないんだという
真理を実感できます。


患者たちは確かに独特の雰囲気をまとい、
初対面ではビビったり、ひくかもしれない。


でも、仕事が始まり
適材適所にそれぞれが収まると、
俄然生き生きしてくるんです。


ある人には「超退屈な仕事」でも
「ワタクシ、忍耐には自信あり!お任せを!」
という人がいたり、


自閉症で感情や言葉を表に出せず
仏頂面に見える人は
交渉相手をビビらす「責任者」という役職にピッタリだったり(笑)


もちろん、現実はもっとシビアだろうし、
映画もハッピーだけではない。


でも、概ねハッピー!
とにかく笑えるのがいいんです。


実話だということがこんなにも嬉しい作品は
ちょっとないですね。

この鑑賞後感、夏の空に負けないくらい
爽快っす!


★7/23からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。

「人生、ここにあり!」公式サイト
コメント (4)
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