美しく妖しく芸術的……
過ぎるのもムツカシイ。
「ファウスト」60点★★★
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19世紀初頭、ドイツのある町。
高名な学者ファウスト(ヨハネス・ツァイラー)は
魂の存在を探し求め、
その研究費を捻出するために
“悪魔”と言われる高利貸し(アントン・アダシンスキー)を訪ねる。
高利貸しは
「金は貸さないが、生きる意味を教えてやる」と言い、
ファウストを美しいマルガレーテ(イゾルダ・ディシャウク)に会わせる。
速攻、彼女に恋をしてしまったファウストは
彼女を手に入れるため、
高利貸しと悪魔の契約を結ぶのだが――。
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第68回ヴェネチア国際映画祭グランプリ受賞作。
ゲーテの「ファウスト」を原案に、
美しい娘に惚れた博士が、高利貸しの悪魔に魂を売り、
彼女を手に入れようとする話。
確かにものすごいオーラのある映像世界というか、
幻影、幻灯を観ているような、
見たことのない不可思議な感覚であります。
ただ、正直話は
よくわかんないんですよ(汗)
原作をちゃんと読んだこともないので、
セリフは追っていっても
霞のようにかき消えるし、
まさに観る人の解釈を拒み、翻弄する感じの映画。
こちらがもっと
勉強しないといけなさそう。
映像の美しさは天下一品なので、
感じるまま、拒まずに観るほうが正解かもしれません。
登場する人工生命体(ホムンクルス)のイメージからなのか、
解剖だの意外にグロい描写があるからなのか
はたまた
めくるめく幻影っぽさのせいか、
夢野久作「ドグラマグラ」の世界に近い感覚を味わいました。
監督・脚本のアレクサンドル・ソクーロフは
「エルミタージュ幻想」(02年)などで知られる監督ですが
そういや「エルミタージュ~」も
美しくも激烈な睡魔に襲われたっけ……
★6/2(土)からシネスイッチ銀座で公開。
「ファウスト」公式サイト