パトリス・ルコント監督の
洒落てて、黒いアニメーション(笑)
「スーサイド・ショップ」71点★★★★
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自殺者があとをたたない、お先真っ暗な社会。
ある大都会の裏通りに、
首つり用のロープや各種毒薬など、自殺用品を売る
「スーサイド・ショップ」がある。
主人のミシマをはじめ、
娘も息子も揃って暗~く陰気な一家が営むこの店に
新たに赤ん坊が生まれる。
しかし、この赤ん坊が
家業をピンチに陥れることに――?!
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「髪結いの亭主」パトリス・ルコント監督が
フランスの人気コミック作家で小説家の
ジャン・トゥーレの小説を映画化。
まさに現代社会を映すような、お先真っ暗な世の中を題材に
独特の絵に、毒ある内容、
どうみても可愛くないキャラクター・・・と
暗い要素ばかりなのに、
楽しい(笑)。
唐突にミュージカル仕立てにもなったりして
かなりぶっとんでます。
3Dでなく2Dで観たけど、
3Dでもオモシロイかも知れません。
自殺用品を売る店という設定の妙に、
その一家に生まれた赤ん坊が
陽気で明るいキラキラなキャラで
そのことが家業をピンチに陥れる…・・・という
アイデアがユニークだし
79分という尺も小粋。
落ち込んでいるときに
「人生っていいもんだよ」なんてフツーに言われても
「ケッ」「ペッ」と思うだけだけど、
この映画なら、
そのことを婉曲に伝えるのに、ピッタリだと思います。
ラストは大円団だけど、そこはまあいいか。
原作とはラストが違うみたいなんで、読んでみたくもあり。
エンドロールが楽しいので必見です。
あと、資料にあった
ルコント監督のインタビューが可笑しかった。
原作を発売直後に読んで、映画化を考えたけど、
「実写では無理だと思った。ティム・バートンなら別だけど」だって(笑)
いや~センスいい65歳っす。
★9/7(土)からヒューマントラストシネマ有楽町ほかで公開。
「スーサイド・ショップ」公式サイト