垂涎メンバーによる、オムニバス映画です。
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「ポルトガル、ここに誕生す~ギマランイス歴史地区」70点★★★★
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アキ・カウリスマキ、ペドロ・コスタ、
ビクトル・エリセ、マノエル・ド・オリヴェイラ――
4人の「うわお!」な監督が、
世界遺産であるポルトガル“ギマランイス歴史地区”を舞台に
それぞれ撮った作品です。
行政のプロジェクトとして企画されたそうで、
ポルトガル出身のオリヴェイラ、ペドロ・コスタのほか、
20余年もポルトガル在住のカウリスマキ、
隣国スペインのビクトル・エリセ・・・と、縁ある方々が選ばれたようです。
といっても、4人ともに
「観光名所」を映すわけでなく
実にフリーダムに、その場所についての思いや暮らしの空気を描いてる。
それぞれ尺もバラバラで
「もっと観たい!」と思うカウリスマキや
オリヴェイラ作品は短く
ちょっと難解なペドロ作品や、
変化にやや乏しいエリセ作品は長い・・・・・・と
バランスもまったく欠いてますが、
まあそんなことお構いなしな感じがいい(笑)
やっぱり見応えありますしね。
カウリスマキ作品は
冒頭、床を映しただけで彼の作品とわかる空気と絵がさすが。
市井の地味~な暮らしのなかの、プッとするおかしみもさすが。
ペドロ・コスタ作品は
1974年に起きた「カーネーション革命」を下敷きにした
謎の会話劇で
一見難解だけど、解はあります。
ビクトル・エリセ作品は
2002年に閉鎖された紡績工場で働いていた人々へのインタビューを
カメラテストの体で見せるもの。
彼らの顔のしわと相まって深く胸に刻まれます。
そして、やはりオリヴェイラ監督!
世界遺産ツアーに参加する人々を映し出し、
そのオチの愉快なこと!(笑)
いや~ポルトガル映画界って、
ホントにおもしろい。
願わくば、カウリスマキ監督に
この続きを1本、撮ってほしいす。
★9/14(土)からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
「ポルトガル、ここに誕生す~ギマランイス歴史地区」公式サイト