渡辺謙氏も、佐藤浩市氏も熱演。

「許されざる者」60点★★★



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明治維新後の蝦夷地(北海道)。
かつて“人斬り十兵衛”と怖れられた十兵衛(渡辺謙)は、
官軍に追われ、この地に逃げてきた。

いまは畑仕事をしながら
二人の子を育てている彼のもとに


かつての仲間・金吾(柄本明)が訪ねてくる。

金吾は
女郎を切り刻み、賞金が賭けられている二人組の男を
殺しに行かないかと誘いにきたのだ。
「もう殺しはしない」と断る十兵衛だったが――?!

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クリント・イーストウッド監督&主演の
1992年(そんなに前なんだ!

「フラガール」「悪人」の李相日監督がリモデルした作品。


明治維新後、
蝦夷地(北海道)に追われた元侍を主人公に、
虐げられる女郎とアイヌ原住民、と舞台と設定を
見事に移植しており

北の荒野を西部の荒野に重ねて見せます。
イーストウッド版は
DVDで観たんですが

展開も、場面も、セリフも、
ホントに、かなり、忠実。

キモが違うのがミソですが。
渡辺謙氏は静かに熱く


李監督の血なまぐさい描写は容赦なく

雪の冷たさ、闘いの痛み、そして主人公の背負うものの重みなど、
心理描写も含め、李版のほうが
染み込み度は高いかもしれない。


ただ、いまこの作品が“誰”に受け入れられるのか、
ワシにはまったくわからない(笑)

人への残虐性はともかく、
動物へのそれが、なにかと多用されるのもキツいし

(絵ではなく、比喩などに多様されるんだけどね)
元ネタを知らなくても定番フラグが立ちまくり、
先が読めてしまうんですよね。

でもオリジナルに、遜色ない、というレベルではない
立脚のしかたはすごいと思います。


★9/13(金)から全国で公開。
「許されざる者」公式サイト