ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

わたしはロランス

2013-09-06 20:33:57 | わ行

10代で観たかったな。


「わたしはロランス」69点★★★☆


***************************

モントリオールに暮らす
国語教師ロランス(メイヴィル・プポー)と
女性フレッド(スザンヌ・クレマン)と恋人どおし。

だが、30歳の誕生日にロランスは
フレッドに秘密を打ち明ける。

「僕は、女になりたいんだ」――。

驚き、混乱するフレッドは
それでもロランスが自分を愛していると知り、
彼の理解者になろうとするのだが――。

***************************


24歳にしてすでにカンヌの常連という
カナダの恐るべし才能、グザヴィエ・ドラン監督の作品。

「女として生きる」決断をした
性同一性障害の主人公とその恋人の女性の
10年にわたるラブストーリーであり、主人公の闘争の歴史を描いてる。

監督自身がゲイであることをカミングアウトしており

ロランスが無遠慮な視線にさらされる様には
確かな痛みがあるし

彼が世間の不寛容にじっと耐え、ときに闘い
「こうなってほしい」世の中について語る、

そのテーマには
大変な共感を持ちます。

構図が斬新だったり、イメージの描写力が豊かだったり
映像センスも抜群。

ただ、なんだろう・・・
ワシにはこっちにあと一歩越えてくる
何かが感じられなかった。

簡単に言うと「キュン」とできなかったんですよ。

<理由その1>は、168分という長さ!
特にはじめ30分、はしゃいでる描写が長い・・・。

<理由その2>は、複雑な役どころなのは重々承知だけど
この赤毛のヒロインを最後まで好きになれなかったこと。
結局、これが大きいかなア。

ロランス役のメルヴィル・プポーは
「ぼくを葬る」でも好きな役者なんですけどね。

このテーマならワシは
「ピュ~ぴる」のほうがグッときたな-。


★9/7(土)から新宿シネマカリテほか全国順次公開。

「わたしはロランス」公式サイト
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする