ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

大統領の料理人

2013-09-05 23:40:51 | た行

この映画はワインと共に頂きたい(笑)


「大統領の料理人」68点★★★☆


******************************

1980年代のフランス。

田舎で小さなレストランを営むオルタンス(カトリーヌ・フロ)は
ある日、突然エリゼ宮に呼び出される。

なんとミッテラン氏からの直々の指命で
大統領の料理人に指命されたのだ。

男ばかりの厨房で
完全に“浮いた存在”となった彼女だが

しかし周囲には目もくれず、
最高の料理を目指して突き進んでいく――。

******************************

1988年に
フランス大統領官邸史上初の
女性料理人として
ミッテラン大統領のもとで働いた実在人物の物語。

仕事にプライドを持ち、周囲の雑音には目もくれず、
「これはやりたくない!」とキッパリ言い、
「あの人、嫌いだわ」とバッサリ斬る、
そんな女主人公のキャラが気持ちいい。

食通といわれるミッテラン氏は
「技巧に走ったり、装飾のある料理はいらない。
素材を生かしたシンプルな料理が食べたい」と彼女を起用したそうで、

そのことは
映画が進むにつれてわかるんですが、

しかし
「なぜ彼女が選ばれたのか」にはじまり
「主厨房と、彼女の厨房の役割の違い」や
「なぜ、彼女が“スペシャルな存在”だったのか」など、

根幹となる情報が
かなり説明不足で、分かりにくいのが難点。

「そのくらい読み取れよ」というたぐいの
説明不足とは違いますからねえ。

さらに、
栄養士と衝突したり、コスト削減の逆風に合ったりして、
あっさり職を辞するくだりも腑に落ちない。

料理は美味しそうでいいんですが
「映画」の面白みとしては不十分な気がしました。


★9/7(土)からシネスイッチ銀座、Bunkamura ル・シネマほか全国順次公開。

「大統領の料理人」公式サイト
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする