ほんわか話かと思いきや、
意外と深いところを突かれました。
「四十九日のレシピ」71点★★★★
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不妊に悩む主婦・百合子(永作博美)は
夫に浮気され離婚し、サイアクの状態で実家に戻る。
しかも彼女は母親を亡くしたばかり。
とはいえ、母親は後妻で、
百合子は血のつながらない母にずっとどこかで距離を置いていた。
そしていま実家にいるのは
無骨でぶっきらぼうな父(石橋蓮司)ひとり。
父との暮らしに不安を抱いていた百合子だが、
帰ってみると
父はなんと若い女の子(二階堂ふみ)と一緒にいて――?!
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タナダユキ監督作品。
ほんわか話かなと思ったら
意外に「不妊」が重要テーマで
染みるものありました。
最初はもう
暗~い永作博美と重~い石橋蓮司コンビで
どうなることかと思いましたけどね(苦笑)
しかし
二階堂ふみの明るいゴスロリ少女キャラに救われ
(彼女がすごくいい!)
加えて
ずけずけと物を言う伯母(淡路恵子)や
旦那の浮気相手の不愉快な女など、
類型的なんだけど「ああ、いるいる」が生々しい人間描写に
ずりずりと引き込まれました。
浮気され離婚され、相当「かわいそう」に見えた主人公も、
実はそうなってしまう理由を自ら作っていた――なども
さりげなく見えてきたりして。
終盤~ラストにかけて
“イイ話”に走り過ぎな感はあれど
子どもを持たないことが社会悪のようなしんどい風潮や
なにより自分自身の強迫観念に苦しめられる善良な人間の
声にならない、嗚咽のような小さな叫びを
よくすくい取っているな、と思いました。
不妊に親子のつながり、という点で
ペネロペの「ある愛へと続く旅」と
共通項があるのも、興味深かったす。
★11/9(土)から新宿バルト9、有楽町スバル座ほか全国で公開。
「四十九日のレシピ」公式サイト