ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

いとしきエブリデイ

2013-11-06 23:28:57 | あ行

マイケル・ウィンターボトム監督、
久々にマジ復活!


「いとしきエブリデイ」78点★★★★


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イギリス、ノーフォークにある小さな村に暮らす
母カレン(シャーリー・ヘンダーソン)と幼い4人の子どもたち。

ある早朝、母は兄弟二人を連れて町へと向かう。

着いた先は刑務所。

彼女の夫イアン(ジョン・シム)は服役中なのだ。

子どもたちと、妻と、つかの間の面会をするイアン。

しかし、一家の主が不在のまま季節は巡り
子どもたちは少しずつ、大きくなっていく――。

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これはいい!やられました。

子どもが事故に合うわけでもなく、
大事件が起こるわけでなし、

なのに
本当になんでもない、日々の事柄が
こんなにもいとおしく、ありがたく感じられるなんて!


しょぼい犯罪で、刑務所に服役中の父親と
離ればなれの妻と4人の子どもたちの様子は

冒頭から編集のテンポもサクサクで
余分な余韻もしかけもない。

なのに
父の不在がもたらす空白や
会えない時間の「もったいなさ」が、

美しい田舎の四季や子どもたちの服装、行事などの日常と
子どもたちの成長で描かれ、

日々過ぎていく“時”の全てがいかに「貴重か」が
すんごくよくわかる。

そういう意味で
「終わりゆく一日」と似てる部分があるなあ、と思ったんですが

この作品にも、実は現実の時間が
ちゃんと凝縮されていた。

監督は撮影に5年をかけ、
実際にキャストである実の4兄妹の成長を
写し取ったそうなんです。

なーる!結実してます、その時間が!

マイケル・ナイマンの音楽も最高で、
ラスト、なんでもないのにボロッボロ泣けてきちゃいました。

家族とは
その子どもがたとえ“群れ”を離れても、
ときに道を違えても、
またその場所に戻ってくるものなんだよね・・・(ウルウルウル)。


★11/9(土)からヒューマントラストシネマ有楽町で公開。

「いとしきエブリデイ」公式サイト
コメント (2)
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