マイケル・ウィンターボトム監督、
久々にマジ復活!
「いとしきエブリデイ」78点★★★★
************************
イギリス、ノーフォークにある小さな村に暮らす
母カレン(シャーリー・ヘンダーソン)と幼い4人の子どもたち。
ある早朝、母は兄弟二人を連れて町へと向かう。
着いた先は刑務所。
彼女の夫イアン(ジョン・シム)は服役中なのだ。
子どもたちと、妻と、つかの間の面会をするイアン。
しかし、一家の主が不在のまま季節は巡り
子どもたちは少しずつ、大きくなっていく――。
************************
これはいい!やられました。
子どもが事故に合うわけでもなく、
大事件が起こるわけでなし、
なのに
本当になんでもない、日々の事柄が
こんなにもいとおしく、ありがたく感じられるなんて!
しょぼい犯罪で、刑務所に服役中の父親と
離ればなれの妻と4人の子どもたちの様子は
冒頭から編集のテンポもサクサクで
余分な余韻もしかけもない。
なのに
父の不在がもたらす空白や
会えない時間の「もったいなさ」が、
美しい田舎の四季や子どもたちの服装、行事などの日常と
子どもたちの成長で描かれ、
日々過ぎていく“時”の全てがいかに「貴重か」が
すんごくよくわかる。
そういう意味で
「終わりゆく一日」と似てる部分があるなあ、と思ったんですが
この作品にも、実は現実の時間が
ちゃんと凝縮されていた。
監督は撮影に5年をかけ、
実際にキャストである実の4兄妹の成長を
写し取ったそうなんです。
なーる!結実してます、その時間が!
マイケル・ナイマンの音楽も最高で、
ラスト、なんでもないのにボロッボロ泣けてきちゃいました。
家族とは
その子どもがたとえ“群れ”を離れても、
ときに道を違えても、
またその場所に戻ってくるものなんだよね・・・(ウルウルウル)。
★11/9(土)からヒューマントラストシネマ有楽町で公開。
「いとしきエブリデイ」公式サイト