「わたしはロランス」よりも断然いい。
キュンときましたよ。
「マイ・マザー」75点★★★★
************************
カナダに暮らす17歳のユベール(グザヴィエ・ドラン)は
毎日イラ立っていた。
原因は母親。
ダサいインテリアで部屋を飾る様も
服のセンスも、
ブレる答えも、
なのに息子をコントロールしようとする態度も
すべてが気に食わず、衝突ばかり。
我慢の限界に達した彼は
「家を出たい」と母親に申し出るのだが――?!
************************
公開作が相次いだ今年一番のニュー・カマーといえば
グザヴィエ・ドラン監督。
彼の19歳でのデビュー作にして主演作、
カンヌ3冠を成し遂げた作品。
母親のすべてにイラ立つ17歳少年の
衝突と叫びの日々を自伝的に描いていて、
自分のなかに一番くすぶっていたことを
思い切りぶちまけたような
ストレートな力を持っていると感じました。
まあ6歳から子役をやっていたという
監督のルックスのよさにも驚きますが
10代にしてとてつもない客観性と、何より自己の確立を果たしており
(セクシャリテイゆえの摩擦や孤独を経験したこともあるのかな)
本当に「恐るべき子ども」だと思う。
母親の食べ方から服のセンス、無教養な様・・・・・・と
何もかもにいちいちイラっとくる思春期の心、
少し歩み寄っては、しかしまたすぐにぶつかってしまう母と息子の姿を
見事に活写しています。
ワシも小学生時代から、ずっと母親と折り合いが悪かったんで
(いま考えると最悪ですな。苦笑)
相性の悪い親子というのはあるのだ、そういう時期があるのだと
ものすご~く共感した。
それを解決するのは、適度な距離と、
時間に他ならないわけで。
この30年後か?と思えるような
フランス映画「母の身終い」(11/30公開)と
ぜひ、セットで見てほしいっす。
★11/9(土)から渋谷アップリンクほか全国順次公開。
「マイ・マザー」公式サイト