ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

マネーモンスター

2016-06-05 22:58:51 | ま行

ジュリア・ロバーツって
やっぱり説得力あるなあ!と。


「マネーモンスター」71点★★★★


************************


財テク番組「マネーモンスター」
人気司会者リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)は

毎回、巧みな話術で株価の予想や
おすすめ銘柄を紹介している。

番組プロデューサー兼ディレクターの
パティ(ジュリア・ロバーツ)とは
あうんの呼吸で、うまくやってきた。

が、ある日。

生放送中のスタジオに
「リーのせいで、全財産をスッた!」という
若者(ジャック・オコンネル)が現れて――?!


************************


ジョディ・フォスター監督作品。

財テク番組の司会者(ジョージ・クルーニー)のもとに
生放送中、
「損した!どうしてくれる!」と男が乱入し…?!というストーリー。


ノー天気な司会者ジョージ・クルーニーも
笑っちゃうほどハマってる。


でもなんといってもこの映画のキモは
番組ディレクター役、ジュリア・ロバーツでしょう。

生放送中の出来事に現場のトップとして対応する彼女の
その冷静かつスピーディーな対応が、実に頼もしい。

それが映画の緊迫感を盛り上げてもいて
1時間39分、けっこう心臓がバクバクでした。


見ながら思うのは
リーマン・ショック後も
「投資」に乗せられる人が後を絶たないんだなあという
アメリカの現実。

夢を売る側と
それを“買わされる”側を描いた
「格差社会」というテーマも現代的で
おもしろく観ました。



「昨今こんなに簡単に放送局に入れるものか?」とか
「犯人にあまりに計画性がないのもどうなの?」とかもあるんですが(苦笑)

でも、悪の根源がわかるクライマックスは盛り上がります。

アルゴリズムとか、もっとややこしい話かと思うと、
意外にシンプルな詐欺だったりするのも
旧世代(ワシのことじゃ)にはスッキリしてる。

結局
「騙す側も悪い。しかし騙される側には、自身の欲と無知という罪もある」
ということなんだと思います。

そういう描き方が
ジョディ・フォスター監督の公正さの現れなんでしょうね。


★6/10(金)から全国で公開。

「マネーモンスター」公式サイト
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする