最近のウディ・アレン映画とは
ちと違います。
「教授のおかしな妄想殺人」69点★★★★
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大学に
哲学科教授のエイブ(ホアキン・フェニックス)が
転任してきた。
有名人でいろいろ噂のあるエイブに
周囲はワサワサし
美しく聡明な教え子ジル(エマ・ストーン)も
エイブに興味を持つが
無気力なエイブは
積極的な反応を示さない。
だが、エイブはジルと立ち寄ったダイナーで
ある会話を耳にして――?
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美人教え子エマ・ストーンと教授の
“妄想”ラブコメかなあと
勝手に想像してたんですが、
違った(笑)。
ドタバタのおふざけはなく、
けっこう普通に犯罪と人格が絡むドラマ。
若い頃は「世の中をよくしたい!」と理想に燃えて、
ボランティアで世界中を飛び回った主人公。
しかし、いまや
厭世観たっぷり、むなしさにどっぷりで
無気力になってしまった。
そんな彼が、カフェでふと耳にした会話から
社会悪抹殺のための善行=殺人を計画し、
がぜん、生き生きとしてくるという展開。
哲学を語り、屁理屈ばかりの主人公は
ウディ・アレン本人が演じてると、まあ笑えるんだけど
それ以外は
大抵、ハマれない。
でも、この
ホアキン・フェニックス演じる教授は
意外に共感できるんですね。
結局、まともにやってても、世の中は変わらない。
じゃあ、自分の考える正義に基づいて
行動してしまえ!
悪い奴をやっつけてしまえ!って
ヒーロー映画の動機ですよ。
そこが
なんだかとっても「わかるわかる」な感じだからでしょうね。
それで彼は人が変わったように
生き生き!してくるんですが
まあ爽快アクション映画じゃないので
そう好き勝手にはいかず、
倫理と良識とのオチを
つけなければならない。
そこで
教え子エマ・ストーンがキーとなるわけです。
個人的には
大笑いできるウディ・アレン映画が好きだけど
根底に流れているものは
おんなじで
たまには、変化球もありかなと。
あと
エマ・ストーンが着回す
フォークロア風の衣装が可愛らしいかったですね。
★6/11(土)から丸の内ピカデリーほか全国で公開。
「教授のおかしな妄想殺人」公式サイト