ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

教授のおかしな妄想殺人

2016-06-11 16:43:38 | か行

最近のウディ・アレン映画とは
ちと違います。


「教授のおかしな妄想殺人」69点★★★★


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大学に
哲学科教授のエイブ(ホアキン・フェニックス)が
転任してきた。

有名人でいろいろ噂のあるエイブに
周囲はワサワサし

美しく聡明な教え子ジル(エマ・ストーン)も
エイブに興味を持つが

無気力なエイブは
積極的な反応を示さない。

だが、エイブはジルと立ち寄ったダイナーで
ある会話を耳にして――?


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美人教え子エマ・ストーンと教授の
“妄想”ラブコメかなあと
勝手に想像してたんですが、
違った(笑)。

ドタバタのおふざけはなく、
けっこう普通に犯罪と人格が絡むドラマ。


若い頃は「世の中をよくしたい!」と理想に燃えて、
ボランティアで世界中を飛び回った主人公。

しかし、いまや
厭世観たっぷり、むなしさにどっぷりで
無気力になってしまった。

そんな彼が、カフェでふと耳にした会話から
社会悪抹殺のための善行=殺人を計画し、
がぜん、生き生きとしてくるという展開。

哲学を語り、屁理屈ばかりの主人公は
ウディ・アレン本人が演じてると、まあ笑えるんだけど
それ以外は
大抵、ハマれない。

でも、この
ホアキン・フェニックス演じる教授は
意外に共感できるんですね。

結局、まともにやってても、世の中は変わらない。
じゃあ、自分の考える正義に基づいて
行動してしまえ!
悪い奴をやっつけてしまえ!って

ヒーロー映画の動機ですよ。
そこが
なんだかとっても「わかるわかる」な感じだからでしょうね。


それで彼は人が変わったように
生き生き!してくるんですが

まあ爽快アクション映画じゃないので
そう好き勝手にはいかず、

倫理と良識とのオチを
つけなければならない。

そこで
教え子エマ・ストーンがキーとなるわけです。

個人的には
大笑いできるウディ・アレン映画が好きだけど
根底に流れているものは
おんなじで
たまには、変化球もありかなと。

あと
エマ・ストーンが着回す
フォークロア風の衣装が可愛らしいかったですね。


★6/11(土)から丸の内ピカデリーほか全国で公開。

「教授のおかしな妄想殺人」公式サイト
コメント
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