つらい。つらすぎる。
しかし、目をそらしていいのだろうか?
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「シリア・モナムール」72点★★★★
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シリア内戦の悲惨な状況を
フランスに亡命せざる得ない状況になった監督が
現地の人々がYouTubeにアップした画像と、
監督の“目”となって現地で撮影を続ける女性シマヴの映像で
繋いだドキュメンタリーです。
まず
こんなに、生々しい映像を見たのは
初めて。
目の前を走っている人が銃弾に倒れる。
死体の山もある。
銃撃が続くなか、身内が遺体を、
竿のようなものでひっかけて、必死に回収しようとする。
それでも
特にシマヴの撮る少年の笑顔、
瓦礫のなかの雑草、何気ないシーンの輝きに助けられ、
爆撃の轟音にも耐えながら
踏ん張って見ていたんです。
でも、戦火の動物たちの悲惨な姿に、
心が砕けた。
瓦礫の山のなかで
足を失った猫、大火傷を負った猫、
傷だらけでも鳴き、寄ってくるその姿・・・。
爆撃と瓦礫のなかで
これが起きていることは想像できるのだけど
目の当たりにすると、やはりつらい。
世界は、人間はなぜ、こうなってしまうのだろう・・・・・・。
この映画で、きっと
観る人も傷つく。
でも、もっと傷ついているのは
現地にいる彼らなのだ。
この現実を無視していいわけがない。
だから、
踏ん張り続けました。
映画を見たあと、ニュースで聞く
「シリア」「爆撃」「戦争」「内戦」の言葉が
確実に、違うものになるはず。
そして平和と
春が来ることを切に願うこと。
非力でも、それも一歩だと思うのです。
★6/18(土)からシアターイメージフォーラムほか全国順次公開。
「シリア・モナムール」公式サイト