「その夜の侍」(12年)、すっげ好きです。
「葛城事件」60点★★★



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郊外の住宅地に住む
葛城清(三浦友和)は

親の始めた金物屋を引き継ぎ、
妻(南果歩)の間に、2人の息子に恵まれた。




子どものころから出来がよかった長男(新井浩文)は
いまサラリーマンになり、結婚もし、子どももいる。


しかし次男(若葉竜也)は
対人関係がうまくなく、アルバイトも長続きしない。

あるとき、清にそのことを責められた次男は――?!

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「その夜の侍」(12年)赤堀雅秋監督作品。

「壊れてゆく家族」という現代的なテーマで

三浦友和氏演じるお父さんも
悪意なく、しかし抑圧的な


昭和の“父親像”の残像のようで、すごく印象に残ります。

でもですね、
この映画は、「映画」としてあまりに救いがないんですよ(涙)

逆に言えば、
「現実の忠実な再現」なのかもしれないんですが。

昨今、ニュースになる
通りがかりの人を襲う無差別殺人。

この映画では、次男がそれを起こしてしまうわけです。

世間が
「なぜ、こんなことを?」と思う、その理由が
実は“こんなもの”なのだろうなと
この映画は示している。

その理由となるのが、
三浦友和氏演じる父親なんですね。

常に社会や政治に文句をたれ、



「自分は一般より上段にいる」


正論を吐いてるような人間。
しかしその実は
タバコの煙が妊婦に行くことへの配慮もできない
最低な男。

で、そんな「フツーにいる親父」が
「根源」だ、という話なんです。

三浦友和氏が、その親父をホントにイヤ~な感じに演じていて
見事だし


はっきり言って、
観ていて気ぃ悪くなるんですけど(苦笑)
それだけリアルなんだろうな、とも思います。

現代日本の“イヤ”さを描く点では
「クリーピー」と同じなんですよね。
「クリーピー」はそういうイヤさを
エンターテイメントにして、観る側をノセて、走らせる感じなんですが

本作は
現代という鏡に映るそのイヤさを
より誠実に描いているのかもしれません。

★6/18(土)から新宿バルト9ほか全国で公開。
「葛城事件」公式サイト