まだ紅葉の時期には、少し早かったのですが、先週は孫の三歳のお祝いで、京都に
行って来ました。
孫は、岩国の祖母の手をしっかり握り、平安神宮の砂利道をおぼつかない足で、それでも、はしゃぎながら歩いてました。 「今日一日、お姫様だね」と祖母は、着物姿の孫に眼を細めて嬉しそうに話かけていたのが印象的でした。私も、その姿を見て、娘と孫に「幸せをありがとう」と心のなかで、感謝しました。
娘夫婦は、八年ぶりに子供を授かったのです。初孫の誕生に、一族は、歓喜に湧いたものです。あれから三年、月日の早さを感じます。
孫の成長を見てると、がんはらなくてはと、元気と生きる力を貰って帰ってきました。
三日もあけずに、十里木で静養中の友人夫婦を友たち三人で、訪ねました。
彼女は、『バーデン バーデン』を観に来て下さいました。
「中座するかも知れないけど、その時はゴメンナサイ」とまえもって連絡を受けていたのてすが、結局お芝居が面白く、精神力も後押ししてくれ、最後まで
応援してくれたそうです。
ガンの告知を受けて一年。薬の副作用で、痛みと苦しみの戦いが始まっていました。現実を受け入れ、自分自身と向き合わなくてはいけない彼女の気持ちは、いかばかりでしょう。
いつも傍で愛する人を優しく守り続けていられるご主人。家事をやり、血流をよくして、痛みを和らげるために、寝る前のマッサージは欠かさないそうです。
このご夫婦の楽しいひとときが、ずっと続いて欲しいと思いました。
そういえば、いつだかご主人が「僕の初恋の人は、彼女なんてす」
「ワァ、それじゃ、相思相愛で結婚したのですか」と皆で冷やかした事を
想い出し、話しに花が咲き、青春にかえり大声で、笑いました。
ご夫婦一緒にいられるこのかけがえのない時間。
彼女の楽しそうな笑いをいつまで見れるのかなと思うと、なんか切なく
なりました。
もし「残された人生をどう生きますか」と聞かれたら、健康な私は、語り尽くせないでしよう。
「残された命とどう向き合いますか」と言われたら、私はきっとすぐに答えは、だせないでしょう。
受け入れざるをえない現実のなかでも、いつも笑顔を忘れない彼女。
きっと強い精神力で告知を一秒、いや、何年でものばしてくれる事を
祈ってます。
かっちゃんでした