青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

こんなに変わった日本橋!~デンデンタウン~

2023-05-05 | 昭和・懐かしい大阪の風景

古本屋さんの街としてスタートした、大阪の日本橋界隈。僕の馴染みある光景は、「杉山書店」などの古本屋も残しつつ、五階百貨店のようなスポットもある電気製品の街「デンデンタウン」です。70年代からオーディオ製品に憧れ、80年代になるとパソコン専門店も増えつつも、オーディオやビデオデッキがズラリと並んでいました。

歩道橋から一望しただけでも、これだけの電気屋さんが並び、歩道沿いにはズラリと買い物客の車が縦列駐車。人通りも多く、お店の中からは電子音が聞こえて来る。日本橋筋の両側に並んだ家電電気器具販売店はざっと300軒。東京の秋葉原と並ぶ、紛れもない電化製品の町でした。

どの店でも20~30%は割引してくれますが、更に掛け合ってみると値段はまだ下がる。オマケに何か小さな付属品なども付けてくれるので、この街に買い物に行って値切らないのは損でした。東京と違って、値引きを持ちかけても決して嫌がらないのが大阪の日本橋の特徴でした。僕がアルバイトで店員の立場だった時も、お客として足を運んだ時も、売る側も買う側も値段の攻防戦を楽しんでいました。

こんな感じの電気街だったのは90年代までと言っても過言ではないかも知れません。

それが90年代後半から徐々にオーディオ専門店が消え始め、代わりにWindowsで需要が爆発して「パソコン工房」や「ソフマップ」等のパソコン専門店が竹の子のように増加。その頃でもいろんなお店のベテラン店員さんが「最近のお客さんは本当に値引き交渉をして来ない。商売の楽しさや張り合いが無くなった」と、本当に嘆いていたのです。

そして現在では値引きどころか言い値で買うしかないトレーディングカードやフィギュアのお店ばかりの街になり、地下アイドルとやらのお店、メイド喫茶の街になり、サブカルの聖地だとか「オタロード」等と呼ばれるようになりました。

電気屋さんの看板もこんなに消えてしまいました。これは決してコロナの影響だけではありません。この街に集う人間の種類が完全に入れ替わってしまったのです。

一時は日本人が消えて中国・韓国からのインバウンドばかりに。大きな電気店がビジネスホテルにどんどん看板替えをしました。道路にはいかがわしい若者が座り込み、コスプレの女の子の写真を撮影している。本当に不気味な光景の街になりました。東西のサブカルの街を歩いた僕個人の印象では東京の秋葉原の方が明るく、大阪は陰湿で怖いイメージを持ちました。関西人なのにです。

大阪の地下鉄御堂筋線に乗っても、心斎橋までは普通に乗っていられるのですが、難波を過ぎると今では僕は、ニューヨークの地下鉄よりも御堂筋線の方が正直怖いと感じることさえあります。この先、日本橋はどう変わって行くのでしょう?

 



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